(今回の質問)
都市部で天体観察をするときのコツはありますか?
(回答)
コツは次の3つです。
1. 空が開けている場所に行くこと
2. 街灯などの明かりが目に入らないように工夫すること
3. 目を十分に暗闇に慣らすこと
以下で詳しく解説しましょう!
一等星や金星、土星などの惑星は都市部でも観察できる
まずは、「空が開けている場所に行く」。家の近くの公園や、解放されている商業施設の屋上などに行っていただくと観察しやすいかなと思います。
そして、「周りの街灯などの明かりが目に入らないように工夫」する。まぶしいときに手を目の周りに当てて光を遮ることがあるかと思いますが、実は天体観察をするときも、目の周りの光を遮ってあげると観察しやすくなります。
最後に、「目を十分に暗闇に慣らす」。周りの光が目に入らないようにしながら、大体15分ぐらい、空を見上げて目を暗闇に十分慣らしていくと、瞳孔がだんだん開いていって、最初よりも見える星の数が増えてきます。スマートフォンなどを見てしまうとまた瞳孔が閉じてしまいますから、そこは我慢。暗闇に目を慣らすことに集中しましょう。
こうすれば、都市部でも一等星と呼ばれる明るい星や月は十分に肉眼で見ることができますし、実は金星や土星、木星、火星といった惑星も肉眼で見ることができます。
遮光ゴーグルを作ってみよう
2つ目のコツで「明かりが目に入らないように工夫する」とお伝えしましたが、手で光を遮ろうとしてもなかなか難しいですよね。そんな時には、“遮光ゴーグル”を手作りしてみてはいかがでしょうか。
作り方は簡単。帯状にカットした紙を輪っかになるように丸めるだけで完成です。ゴーグルを両手で持ってのぞき込むと、目の周りの光が遮られて、星が見やすくなります。ゴーグルの内側を黒色にしておくと光の反射を抑えられるので、黒い画用紙などを使うといいでしょう。
ちなみにビクセンでは「宙まーる」という遮光ゴーグルをイベントなどで無料で配布していることもあります。機会があれば手に取ってみてくださいね。
双眼鏡を使った天体観察もおすすめ
双眼鏡が家にあるという人は、ぜひ天体観察でも使ってみてください。肉眼で見るよりもたくさんの星を楽しみたいとか、月をよく見てみたいというときにおすすめです。
以上、都市部で天体観察をするときのコツをご紹介しました。天体観察のために夜にお出かけするのもいいですが、寝る前に家のベランダに出たり、窓を開けて星空を見上げるだけでも、ふっと心がリラックスできますよ。日々の夜のひとときに、ぜひ天体観察を楽しんでみてくださいね。
>双眼鏡で見た天体の画像を見る
ビクセン 広報担当/星空案内人(星のソムリエ (R) )
さまざまな星空イベントや観望会で、天体望遠鏡や双眼鏡を使った星空案内を行っている。 小学生の息子と季節の星や月を眺めるのが好き。