まだまだ暑い日は続いていますが、もう少し涼しくなればエアコンの「夏じまい」のタイミングです。しばらく使わなくなったエアコンの電源プラグは、抜いておいた方が節電になるのでしょうか。家電エバンジェリストで「All About」デジタル・家電ガイドの安蔵靖志が回答します。
(今回の質問)
しばらくエアコンを使わない場合、電源プラグを抜くと節電になる?
(回答)
電源プラグを抜いておくと、確実に省エネにつながります。
どういうことなのか、以下で詳しく解説します。
エアコンの電源プラグを抜いておけば、半年で約233円の節約に!?
家電製品をコンセントにつないでおくと、「待機電力」によって電気代がかかります。資源エネルギー庁 省エネルギー対策課の「平成24年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業(待機時消費電力調査)報告書」によると、1世帯あたりの全消費電力量は年間4432kWh(1kWhあたり31円換算で13万7392円)で、待機時消費電力量は約5.1%の年間228kWh(同7038円)と推計されています。
この調査によると、待機電力量が大きい家電や機器の上位5位は以下の通りです。
1位:ガス温水器(ガス給湯器、ガス給湯付きふろがまを含む)……約19%
2位:テレビ……約10%
3位:冷暖房兼用エアコン……約8%
4位:電話機……約8%
5位:BD、HDD、DVDレコーダー……約6%
これらの機器は、常にリモコンなどによる操作を受け付けられるように待機しており、そのために待機電力がかかっています。3位のテレビや5位のレコーダーの主電源を切ったり、コンセントからプラグを抜いてしまうとリモコンが使えなくなるだけでなく、予約録画なども一切できなくなります。電子番組表の自動取得機能なども使えなくなりますので、プラグを抜いておくのはおすすめできません。
一方、エアコンの場合もプラグを抜くとリモコンは使えなくなりますが、大きなデメリットはそれだけです。そのため、しばらく使う必要がないのであれば省エネにつながります。
エアコンの待機電力を金額換算すると1日約1.3円
ちなみに先ほどの報告書によると、エアコンの待機時消費電力は1.74W(家庭で所有されている主要機器:ストックベース)となっています。これは1日に換算すると約1.3円で、1カ月(30日)だと約38.8円、3カ月(90日)で約116.5円、6カ月(180日)で約233円となります。春と秋の3カ月ずつ、1年間で合計6カ月プラグを抜いておくとすると、年間約233円の節約につながります。
ただし、エアコンは室内の上の方に設置されていることが多いため、プラグを抜くのは簡単ではありません。踏み台や椅子の上に乗ってプラグを抜くのは危険を伴いますので、その点には注意してください。
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。記事執筆のほか、テレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電コーナーの構成なども手掛ける。