新横浜ラーメン博物館(以下、ラー博)は2024年に迎える30周年に向けて、2022年7月1日から「あの銘店をもう一度」プロジェクトをスタート。過去に出店したことのある約40店舗の銘店が2年間かけてリレー形式でラー博に出店します。
2023年8月29~9月18日の「あの銘店をもう一度“銘店シリーズ”」第21弾は、福岡・博多「ふくちゃんラーメン」が出店。常連さんを“素通りさせぬ”、スッキリとしたとんこつラーメンが横浜で味わえます(画像は全て提供)。
福岡・博多「ふくちゃんラーメン」について
「ふくちゃん」という屋号は、創業者・福吉光男さんのあだ名に由来しています。福吉さんは博多・長浜の名店「しばらく」で修業を積み、そこで出会った千恵子さんと結婚、1975年に百道に店を構えました。
お店は常連客でにぎわい、繁盛しました。1979年、福吉さんは病気にかかり、店を閉めざるを得ない状況に。店を存続させたかった福吉さんは、妻・千恵子さんの妹の夫・榊順伸さんに「ふくちゃん」を託したのでした。
「自分に代わったから味が落ちたとは言われたくなかった」という順伸さん。ラーメン作りの経験はなかったものの、妻の美恵子さんとともに日々精進し、新たな常連さんも付いて「博多ラーメンの新興勢力」として、長いときには1時間半~2時間もの待ち時間ができるまでに成長させます。
看板に書かれている「ふくちゃんが素通りさせぬ店の味」とは、常連さんがお店に捧げた言葉です。
ラー博と「ふくちゃんラーメン」
新横浜ラーメン博物館がオープンする前、博多代表として「ふくちゃんラーメン」「八ちゃんラーメン」「一風堂」といった店舗が候補に挙がっていました。
ラー博が誘致活動を始めた1992年ごろ、博多で圧倒的に支持を受けていたのは「ふくちゃんラーメン」でしたが、出店交渉をしようにも、お店が忙しすぎて話を聞いてもらえない状況だったといいます。
あまりに行列が長くなり、路上駐車等によるクレームが出始めたことから1994年、博多から車で30分ほどかかる閑静な住宅街(田隈)へ移転します。「素通りさせぬ」店から「わざわざ食べに行く」店へとなりましたが、ここでも変わらず繁盛し続けたのでした。
2003年、順伸さんが倒れたことから、長男・伸一郎さんが引き継ぐこととなりました。そのころ、ラー博は再度、アプローチをかけたそうです。
話は聞いてもらえたものの、代替わりした直後ですぐには出店できず。2004年、伸一郎さんの姉・伸江さんが店長として、ラー博への出店を果たしました(2004年8月3日~2009年11月24日まで出店)。
今回も、現在は「江ちゃんラーメン」の店主である伸江さんが来館します。また、本店がお休みの日は、伸一郎さんも駆けつける予定です。
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