新横浜ラーメン博物館(以下、ラー博)は2024年に迎える30周年に向けて、2022年7月1日から「あの銘店をもう一度」プロジェクトをスタート。過去に出店したことのある約40店舗の銘店が2年間かけてリレー形式でラー博に出店します。
2023年8月8~28日の「あの銘店をもう一度“銘店シリーズ”」第20弾は、アメリカ・NY「YUJI RAMEN」が出店。同店の名物である、マグロのアラを白濁させた、唯一無二の「ツナコツ」ラーメンがラー博に復活します(画像は全て提供)。
「YUJI RAMEN」が生まれた背景とは
「YUJI RAMEN」の創業者である原口雄次さんは、2012年の開業前、アメリカで魚の卸を中心とした食品商社に勤めていました。そのころ、「アメリカへはすしを食べるというスタイルだけが上陸し、本当の意味での魚料理の魅力は伝わっていない」と感じていたそう。
「日本文化を伝えるのは、日本人ではなく現地の人」という考えから、あえて日本人以外のシェフがいるレストランを選んで営業先として回り、単純に魚を卸すだけではなく、鮮度のいいアラの有効活用を提案するなど、魚を余すところなく活用する、本当の意味での魚の素晴らしさを伝え続けました。
魚を有効活用して作る「YUJI RAMEN」
全米でトップの成績を収めるようになったころ、アメリカで自分のレストランを持ちたいという夢をかなえるために独立。2012年、ニューヨークのブルックリンに「YUJI RAMEN」を開業しました。
その2年後の2014年には、ニューヨーク近海でとれた魚を使った一汁三菜の和定食を提供する「OKONOMI」をオープン。魚を丸ごと買い付け、朝と昼は「OKONOMI」として身の部分を焼き魚として提供し、夜は「YUJI RAMEN」に名前を変え、残ったアラの部分を有効活用し、ラーメンを提供しています。
現在、原口さんはニューヨークにある4つの店舗で、魚を通じた5つの業態を展開しています。「Honor Your Fish~お魚を大切に~」という言葉をスローガンに、有効活用されていない食材を技術と知恵、工夫により高いクオリティに仕上げ、食材廃棄問題の解決策として提案し続けています。
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