出発地の空港で預けたはずの手荷物が行方不明になってしまう「ロストバゲージ」。SITA(国際航空情報通信機構)が発表した「バゲージ・レポート2023」によると、2022年に世界で発生したロストバゲージの割合は旅客1000人当たり、荷物7.6個分でした。旅行需要の急激な回復を受けてか、2021年の4.35個に比べるとおよそ2倍に上昇しています。
そこでAll About編集部では「海外旅行のロストバゲージ」について、全国の10~70代の250人を対象にアンケート調査を実施(調査期間:2023年6月26日~7月5日)。ロストバゲージにあったときのエピソードを集めました。
海外旅行でロストバゲージにあったことがある人は「7%」
ロストバゲージが起きる原因は複数あり、手荷物管理タグの付け間違いなどにより別の飛行機に運んでしまうケースや、乗り継ぎ時の積み忘れ・下ろし忘れ、積み遅れ(ディレイドバゲージ)など。また、到着地の空港で他人が誤って持ち去ってしまう場合も考えられます。
アンケート回答者のうち、ロストバゲージにあったことがある人は18人。全体の7%を占めました。
手荷物が戻ってきた人は「100%」。当時の状況は?
続いて、ロストバゲージにあった18人に荷物が戻ってきたかどうかを聞いたところ、全員が「はい」と回答しました。
以下では、実際にロストバゲージに遭遇した人の声をご紹介します。
「羽田発シカゴ乗り換えニューヨーク着で、ニューヨークについたときに荷物がありませんでした。ロストバゲージの連絡をして、数日後に取り戻せました(30代女性/東京都)」
「ダブリン(アイルランド)に到着したとき、荷物が出てきませんでした。調べてもらったら状況がすぐにわかったので(別の国へ飛んで行ってしまったようでした)、ほっとしました。2日後くらいに、ホームステイ先に配送されてきました(40代女性/岐阜県)」
「イタリアのツアーに参加した時、ロストバゲージに遭いました。飛行機の乗り継ぎで荷物が積まれてなかったようで、添乗員さんに対応してもらいました。荷物がない2日間はローマの無印で服や下着を買って乗り切りました(30代女性/鹿児島県)」
「東京発LA行のシンガポール航空で遭遇した。結果的に翌日に荷物が戻ってきたが、その際、日用品や衣類(着替えなど)の購入用途のために、100USドルもらったことを覚えている。LA着2日後にシカゴへ向かうところだったので、大変焦った(50代男性/埼玉県)」
「某海外の航空会社でフランスからの帰途、いつまで経っても買ったばかりのトランクが出てこず、途中のどこかの国で行方不明になったと聞かされました。一週間後、提携したJALから郵送されてきたトランクには大穴が開いてバキバキに壊れていました。ショックでしたが、JALの補償を使えて、一回り大きな新しいトランクをいただけました(30代女性/岩手県)」
乗り継ぎを要する旅程で被害に遭った人が多かったようですね。さらに不運なことに、荷物が破損した状態で届いたという人もいました。
アップルの「AirTag」も活躍? ロストバゲージ対策アイデア
以上のコメントにあるように、ロストバゲージに遭ってしまった場合は、航空会社や海外旅行保険の補償を受けられる可能性があります。
とはいえ、なるべくこうしたトラブルは避けたいもの。搭乗者としては、「前回の旅行で付けられたタグやシールは剥がす」よう心がけることが大切です(荷物の運搬ミスを防ぐため)。また、ロストバゲージにあった場合に備えて、空港スタッフへの説明用に手荷物の写真を撮っておいたり、アップルの「AirTag」などの盗難防止タグを付けていたりする人もいるようです。
これから旅行に出かける予定がある人は、荷造りの参考にしてみてはいかがでしょうか。
※回答者コメントは原文ママです
調査概要
調査期間:6月26日~7月5日
調査方法:インターネット調査
回答者属性:全国250人(10代:6人、20代:62人、30代:87人、40代:67人、50代:24人、60代:3人、70代:1人)