猛スピードであっという間に大規模炎上!? “大事故”になる前に親から子どもに伝えたいSNSモラル

うっかりSNSに投稿した動画が拡散して炎上すると、賠償問題にまで発展しかねません。子どもの悪ふざけが取り返しのつかないトラブルになる前に、家庭教育の必要があります。SNSモラル問題についてITジャーナリストの鈴木朋子さんにお話を聞きました。

「子どもが軽いノリでSNSにアップした動画が炎上してしまったら?」「わが子の倫理観は大丈夫だろうか……?」子どもたちがいつも以上に開放的な気持ちになり、行動範囲も広がる夏休み期間に、SNSモラルに関する家庭教育を見直してみませんか。ITジャーナリストの鈴木朋子さんにアドバイスを聞きました。

軽いノリでSNSにアップした動画で思わぬ事態に巻き込まれることも

>判断力が鈍る? SNSに潜む危険な現象の正体

 

最近は「炎上スピードが早い」「炎上規模が大きい」傾向

最近のSNSでの炎上について、少し様子が変わってきていると鈴木さんは警告します。
 

「昔はSNSにアップしても、たまたま誰かに見つかって運が悪ければ炎上する程度でしたが、最近は、フォロワー数が多いインフルエンサーに告げ口のようなことをする人がいます。影響力のある人に拡散されて一気に炎上するパターンが多くなっている気がします。炎上スピードが早く、炎上規模も大きくなっている傾向です」(鈴木さん、以下同)
 

悪ふざけの本人“以外”も要注意! 犯罪行為になる場合も

例えば、飲酒やたばこなど年齢次第ではそれだけで罪になる行為。悪ふざけをした張本人がよくないのはもちろん、周囲にも罪があるという鈴木さん。
 

「多くの悪ふざけは共犯者がいるものです。その行為をあおったり撮影したりする友達もよくないですし、投稿する人もいけません。内輪向けの限定投稿だったとしても、だれかがオープンな場に流してしまったらアウトです。一度ネット上にアップしたら世界中に拡散するかもしれないリスクを子どもに認識させたいですね」
 

見逃しがちなのが、直接投稿に関わっていなくても罪になるケース。
 

「友達の面白い投稿をシェアすることはもちろん、ネットで見つけた悪ふざけ行為の投稿をリツイートなどすることで拡散に手を染めるのもよくありません。実際にリツイートが罪になった事例も過去にはあるので注意したいところです」

 

善悪の判断が冷静にできない「フィルターバブル現象」なども危険

ニュースアプリやYouTube、TikTok、Twitterなど、多くのアプリはおすすめがレコメンドされるシステム。偏った情報だけを目にしていると視野が狭くなり、何が正しいのかの判断ができなくなってしまうのだとか。この「フィルターバブル現象」や「エコチェンバー現象」には注意が必要です。


「『みんなも同じような考えだ』と思っているその『みんな』は、自分と同傾向にある限られた人々であり、一般常識とは異なることがあります。偏った意見なのに偏っていることに気づけなくなり、判断を誤るリスクも。子どもには、おすすめアルゴリズムの仕組みを教えてあげることが重要です。知っていれば回避できるリスクもあります」

 

文科省の指針でも「モラル教育の充実」が必要と明記

文部科学省の「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」でも、「情報モラル」=「情報社会で適正な活動を行うための基になる考え方と態度」「犯罪被害を含む危険の回避など情報を正しく安全に利用できること、コンピュータなどの情報機器の使用による健康との関わりを理解すること等」として注視しています。
 

一般的なモラルに加え、SNS上でのモラルに関しても家庭での教育は重要だという鈴木さん。一方的に指示や命令などをされると反発したくなる思春期なら特に、炎上事件のニュースを一緒に見たときなど、日常的に子どもの認識を確認し、正しい判断へ導いてあげたいですね。


 

この記事の監修者:鈴木朋子さん
ITジャーナリスト。スマホ、SNS、Webサービスなど、身近なITに関する専門家。2人の娘を持つ母親で中高生のスマホ事情にも詳しい。子どもの安全なIT活用をサポートする「スマホ安全アドバイザー」としても活動中。著作は『親が知らない子どものスマホ』(日経BP)、『親子で学ぶスマホとネットを安心に使う本』(技術評論社)など多数。

この記事の筆者:古田綾子
雑誌・Webメディアの編集者を経てフリーランスライター。2児の母。子どもの受験をきっかけに教育分野に注力。自らの経験に基づいた保護者視点で、教育界の生の声やリアルな体験談などを取材・執筆。
 

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