理系大学×女子校に増える「高大連携」、真のメリットは“指定校推薦ではない”ワケ

高校と大学が共同して教育を行う「高大連携」の動きが活発になってきています。高大連携は、受験勉強とは質の異なる探求学習をする貴重な機会になります。ぜひ進学先を選ぶ際の検討材料に加えてみてください。

近年、高校と大学が共同して教育を行う「高大連携」の動きが活発になってきており、受験生・保護者のみなさんの関心も高まってきています。

2023年度も、昭和女子大学附属昭和高等学校と順天堂大学、湘南白百合学園高等学校と東京理科大学、そして田園調布学園高等学校と東京都市大学の協定締結が発表されました。

【学校一覧】男子校と女子校ではこんなにも差が……!

一方で、「高大連携」という言葉は聞いたことがあるけれど、実際にはよく分かっていないという人も多いのではないでしょうか。そこで、注目の高大連携について、生徒たちにとっての真のメリットを解説します。志望校選びの参考にしてみてください。

そもそも高大連携とは?

高大連携とは、文字通り「高校と大学が連携して教育を行う」という意味です。

そのやり方はさまざまで、大学の講義に高校生を受け入れるケースもありますし、大学の教員が高校に出張して授業を行うケースもあります。また、講義・授業を受けるだけでなく、大学のサポートを受けて、高校生が研究・探究学習をするケースもあります。

生徒たちにとって高大連携の“真のメリット”は

高大連携というと、推薦型の入試により大学に進学しやすくなるというメリットがあり、実際にそれが主な魅力と考えている受験生・保護者も多いようです。

最近だと、2022年三輪田学園高等学校に法政大学全学部から合わせて最大30名の学校型推薦枠ができました。これにより、2023年の三輪田学園中学校の入試は人気が上昇しました。

しかし一方で、推薦枠を伴わない、または少ない高大連携も多くなっています。こうした学校型推薦枠がない高大連携は、進路選びに主眼が置かれています。実は、生徒たちにとって、より大きなメリットはこちらの方。

大学の講義を受けて教員の話を聞いたり、大学生と一緒に研究をして学んだりすることで、どの学部に進むとどんな内容を学べるのかを具体的にイメージできます。それによって、自分のやりたい学びを見つけることにつながるということです。

大学受験においては、抽象的なイメージだけでなんとなく進学先を決めてしまい、入ってから想像と違って後悔することもありがちです。そのため、より適切な進路選択をするための判断材料を高大連携により得られるのは、とても良いことでしょう。

高大連携は「理系大学・学部×女子校」に多い

高大連携をしている高校は、男子校よりも共学校、共学校よりも女子校が多くなっています。

そして、連携をしている多くは、北里大学や芝浦工業大学、東京薬科大学など、理系の大学・学部です。

一般的に女子は、文系に進学する割合が高いのですが、大学側としては女子にも理系学部に興味をもってもらいたいと思っているのです。そのため、積極的に高大連携で理系の勉強の楽しさを知ってもらう働きかけをしていることが、背景として挙げられます。

実際に、高大連携により理系の探究学習を体験した子は、大学進学で理系を選ぶ確率が高くなっているようです。

理系は難しそうとか、つまらなそうという先入観で、進路から除外してしまうのはもったいないですよね。お子さんに理系の楽しさを知ってもらいたいとお考えでしたら、高大連携が充実している学校を進学先の候補にしてみてはいかがでしょうか。

高大連携は、受験勉強とは質の異なる学習ができる貴重な機会

高大連携というと、指定校推薦が主なメリットと考えている人も多いようですが、それは誤解です。

本当に大切なことは、高校生のうちから質の高い大学の学びに触れて、自分の進みたい進路を見つけたり、それにより学ぶことのモチベーションを高めたりすることです。

どうしても高校の勉強は、大学受験に向けた知識の習得が中心になってしまいがちです。高大連携は、“受験勉強とは質の異なる”探究学習をする貴重な機会になります。

ぜひ進学先を選ぶ際の検討材料に加えてみてくださいね。
連携している高校×大学(筆者作成)
 
Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

編集部が選ぶおすすめ記事

注目の連載

  • 世界を知れば日本が見える

    深刻な少子化に苦しむ「中国」と対照的に、今こそ「一人っ子政策を導入すべき」といわれる2つの国とは

  • ヒナタカの雑食系映画論

    ツッコミどころ満載で愛される『名探偵コナン 紺青の拳』、気になる5つのシーンを全力でツッコんでみた

  • どうする学校?どうなの保護者?

    【PTA免除の儀式】固まる母親を見かね「もうやめませんか?」声をあげた父親に何が起きたか

  • AIに負けない子の育て方

    2024年の中学入試は「弱気受験」だったというが…受験者増の人気校に見る、中受親の変化