7月8日はチキン南蛮の日!
日付が7(ナン)8(バン)と読めることにちなんで、宮崎県延岡市の市民有志による団体によって、2009年に制定されました。
今回はチキン南蛮の「南蛮」は何を意味しているかなど、「違いの分かる人」になれるチキン南蛮の豆知識を紹介します。
「唐揚げ」と「チキン南蛮」の違い
チキン南蛮とは、小麦粉と溶き卵を絡めた鶏のむね肉を揚げ、甘酢に浸した宮崎県名物の鶏肉料理です。唐揚げとの違いは、甘酢に漬けるという味の特徴だけではありません。
唐揚げが鶏のもも肉に小麦粉と片栗粉をまぶして揚げるのに対して、チキン南蛮は鶏のむね肉に小麦粉と溶き卵を付けて揚げる、といった違いがあります。
最初のチキン南蛮にタルタルは使われていなかった
宮崎県延岡市内にあった洋食店「ロンドン」で昭和30年代に賄い料理として作られたのがチキン南蛮のルーツです。
パサつきやすく用途の限られるむね肉を使い切るため、鯵の南蛮漬けや油淋鶏を参考に、溶き卵を衣にして揚げて甘酢にしばらく浸すことで、パサつきを抑えてジューシーさを補う調理法を編み出しました。
その後、この「ロンドン」で働いていた2人の料理人が独立し、それぞれの店でチキン南蛮をメニュー化しました。
一方の店「直ちゃん」ではそのまま提供し、もう一方の店「おぐら」ではタルタルをかけて提供したところ、こちらのアレンジが広まり、一般的なチキン南蛮のスタイルになりました。
チキン南蛮の「南蛮」って何?
「南蛮」とは、戦国時代に来日したポルトガル人やその文化を表す言葉で、彼らがもたらした食文化の1つに、唐辛子入りの甘酢に食材を漬ける「南蛮漬け」があります。
鯵の南蛮漬けを参考に生み出したメニューであるため、「直ちゃん」で提供する際に常連さんと相談して「チキン南蛮」と名付けたそうです。
調理法は「ロンドン」、メニュー名は「直ちゃん」、そしてタルタルは「おぐら」と、3つのお店の店主によって生み出されたのが、今日のチキン南蛮といえるでしょう。
この記事の筆者:石川 カズキ プロフィール
1984年沖縄県生まれ。筑波大学人間学類卒業後、会社員を経て芸人・作家・コピーライターに。エレキコミック・ラーメンズを輩出した芸能事務所トゥインクル・コーポレーション所属。第60回宣伝会議賞コピーゴールド受賞、LOFT公式YouTubeチャンネル「コントするイシカワくん」シリーズのコント台本・出演、KNBラジオCMコンテスト2020・2023協賛社賞受賞など