恋愛リアリティ―ショー(以下、恋リア)に出演経験がある人なら、必ず言われる言葉は「やらせでしょ」「台本あるの?」である。
本記事では、過去にとある番組に出演した経験がある筆者の視点から、出演当時のことを振り返りつつ、出演者への「バッシング」問題についても考えてみた。
恋愛“リアリティー”ショーに過剰な期待を寄せる視聴者たち
「あれってやらせなの?」恋リアに出演経験のある筆者が、今まで数えきれないほど言われてきた言葉である。
ドラマやバラエティであれば「あのシーンが面白かった」「〇〇って面白いよね」など、放送された内容で視聴者は盛り上がる。たとえ番組に多少のやらせがあったとしても、「まぁ、そんなものだろう」と許容する視聴者がほとんどだ。
一方、恋リアは、少しでもやらせ疑惑が出れば、視聴者や制作陣に対して猛烈なバッシングが起こる。それは、恋愛“リアリティー”というコンセプトそのまま、“人間のリアルな部分”を見られると視聴者が期待しているからである。
一瞬で番組を去ったけど、予想以上の反響。出演当時を振り返る
筆者が出演した恋リアは、1人の独身男性が、複数の女性たちとさまざまなデートを繰り返しながら、運命の相手となる最後の女性を選んでいくという内容の番組であった。非日常的かつ豪華なシチュエーションで番組が進行し、毎話のラストで男性が「旅を続ける女性」を選ぶ。ここで選ばれなかった女性は番組を去っていき、最後の1人になるまで旅は続く。
恥ずかしいことに一瞬で番組を去ることになった筆者は「行ってきます!」と身内や職場に宣言していた手前、「すぐに戻りました」とは言うことができなかった。
番組から戻った後、田舎にこもり、運転免許合宿に通った。今思い返せば、人生を見つめ直すいい休暇だったな、とポジティブに感じてもいる。
そして時は流れ、ついに配信が開始。「すぐに番組を去ったから、一瞬しか映っていないはず」と筆者はのんきに構えていたが、予想以上に反響があったことに驚いた。
>次のページ:連絡してきた知人がSNSで勝手に「あること」を投稿して……