今、世間をにぎわせている人気作品「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」(任天堂)など、世界中で愛されているファンタジーゲーム。主人公が振るう剣に憧れを抱く人もいるかもしれないが、なんとファンタジー武器が兵庫県のコンビニで購入できると注目を集めている。
商品を手掛けるのは兵庫県高砂市にある匠工芸。プラスチック加工を専門にしている会社だが、近年さまざまなファンタジー武器を手掛け話題となっている。そんな匠工芸がこのたび、剣を振って敵を倒せる体験型ゲーム「Tale from Evangelium(テイル・フロム・エファンゲーリウム)」を社内に設置したとのこと。代表取締役の折井匠さんにお話を聞いた。
ひたすら剣を作り続けていたらある日……
――まずは、武器作りを始めたきっかけについて教えてください。折井さん(以下、折井):「NCルーター」というアクリル加工ができる機械に運命を感じたのがきっかけです。コンピューター制御で図面通りに切断したり彫刻したりできる機械で、「これがあれば子どもの頃のワクワクが再現できる!」と思って。ただ、当時は高額なNCルーターを買う余裕はなかったので、周囲の反対を押し切って起業しました。最初はなかなか軌道に乗らず苦労しましたが、ひたすら大好きなRPGゲームに出てくるような剣を作り続けて精神の安定を図っていました。
――その後、どのように軌道に乗ったのでしょうか。
折井:2017年に作った小さな武器「ロミニングカトラス」が話題になりました。また、コロナ禍では、飛沫防止用のアクリル製パーティションをアイデアで面白くすることで、バズったりもしました。