三菱UFJリサーチ&コンサルティングは2023年4月10日、厚生労働省の 「毎月勤労統計調査」などをベースとした「2023年夏のボーナス見通し」を公開しました。
同レポートによると、2023年夏の民間企業(調査産業計・事業所規模5人以上)のボーナスは、前年比2.8%増となる40万276円となる見通しです。国家公務員(管理職および非常勤を除く一般行政職)のボーナスは、同9.0%増になると予測しています。
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民間企業の2023年夏ボーナスは2年連続増加へ
民間企業の2023年夏のボーナスは2022年に引き続き、2年連続の増加となる見込みで、コロナ禍の影響が一段と落ち着き、良好な企業実績、雇用情勢から増加するものと見られています。
2022年も順調に回復していた製造業だけでなく、コロナ禍の影響がより強く回復が遅れていたサービス業などの非製造業も増加に転じると見込まれ、全体の1人あたりの支給額は、リーマンショック直前の2008年以来、15年ぶりに40万円を超えると見られています。
製造業も、2022年にコロナ前ピークの2018年を上回る過去最高水準を更新したばかりですが、2023年も大企業を中心に円安が業績を押し上げ、増加が続く予想です。支給額前年比2.8%増に加え、支給月数も0.02カ月増と見込んでいます。
「支給労働者数」と「支給労働者割合」も好調! 支給総額は前年比5.1%増
「支給労働者数」と「支給労働者割合」を見ると、支給労働者数は前年比2.2%増の4232万人でコロナ禍に入った2020年から3年連続の増加です。支給労働者割合も同0.7%増の81.1%となっています。2022年に引き続き、コロナ禍による業績悪化でボーナス支給を取りやめていた事業所で支給再開がなされたことによるものと見ています。
以上のことから、2023年の夏ボーナス支給総額(1人あたり支給額×支給労働者数)は、前年比5.1%増の「16.9兆円」となる見通しです。コロナ前を上回った2022年から一段と増加し、過去最多を更新するとの見方も強まっています。
非製造業もコロナ禍の影響から回復し前年比3.1%増
業種別で見ると、「製造業」の平均支給額は53万9565円で前年比2.4%増、「非製造業」は37万3217 円で同3.1%増と、両者とも2年連続で増加しています。
コロナ禍の影響で出遅れていた非製造業が製造業の伸び率を上回る形です。