映画『スーパーマリオ』は新生活で疲れた人にこそ観てほしい。ファン大満足の没入エンタメ作品だった

40年近く世界中で愛されているゲーム『スーパーマリオ』の映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が4月28日に公開されました。任天堂とイルミネーションが作り上げた渾身の映画作品、その観賞レビューをお届けします。

長年のゲームファンも納得の「キャラ設定」に感服

まず、キャラクター設定が秀逸! 何十年も愛されている、あまりにも有名なゲームキャラクターたちなだけに、今さらしっかりとした設定をすることは、至難の業と予想できます。筆者個人の感想としては、どのキャラクターのイメージもまったく壊されることなく、さらに愛すべきキャラクターとなって印象付けられたことに感服です。
 
筆者の心に響いたのは、何といってもキノピオ。クッパがキノコ王国を攻めてくるという危機にひんして、「なんとしても、私たちであの怪物を止めるの」というピーチ姫に、あるキノピオが「でも、見てください。僕らかわいいんです……(うるうる目)」と訴えかけるのです。

そう、キノピオって絶対自分たちのかわいさを知っていると思っていました! このあざとさ全開のキャラクター設定が、納得すぎて笑えます。ただ1人、ピーチ姫に付いていく勇敢なキノピオも最高でした。「こんなキノピオもいたのね」と言うピーチ姫に、「かわいいのには、飽きました」と渋く言い放つのです……。
 
次は、クッパ。ゲーム内では、クッパは特に理由もなくピーチ姫をさらっているのですが、今回の映画では、ピーチ姫へのただならぬ一途な恋心がしっかりと描かれています。映画でのクッパは音楽に精通していて、ピーチ姫への愛の歌をグランドピアノで弾き語りするシーンも(それも2回も)。

“ピーチ、ピーチ、ピッチピチピッチィー”みたいな調子で歌い上げていて、「さすがイルミネーション、どこまでもふざける!」とうれしくなるふざけっぷりでした(クッパは本気)。

筆者が好きな場面は、クッパ参謀の「カメック」がピーチ姫の計画を嗅ぎ取ってクッパに報告に来た際に、クッパが「久しぶりにジャムろうか」と言い、2人でゲーム内の土管の中で流れる『地下BGM』をピアノで“ジャムり”ながら、今後の相談をするシーン。横暴で無茶苦茶なクッパですが、今作の音楽とユーモアセンス抜群のクッパは、魅力たっぷりです。

このほかにも、筆者が愛して止まない「ヘイホー」や、城に閉じこもっているだけではない勇敢な「ピーチ姫」、とぼけた感じの「ボムキング」など、今までデザイン性だけでも愛せたキャラクターたちの“中身”が描かれることで、さらに愛すべきキャラクターとなりました。


>次のページ:まるでゲームの世界に入り込んだよう! “体感”できる物語に

 
Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

注目の連載

  • ヒナタカの雑食系映画論

    スパイ映画は『007』だけじゃない。荒唐無稽?それともリアル?魅力にあふれたスパイ映画6作を選出

  • ここがヘンだよ、ニッポン企業

    古い常識に縛られたおっさんが、ジェンダーやコンプラの前にアップデートすべき「昭和の価値観」3つ

  • どうする学校?どうなの保護者?

    どうする? 「PTA役員のなり手が見つからない」問題……何が役員の負担となっているのか

  • アスリートの育て方

    「あの時、嫌な予感がした」父の死で進路急転。中3で単身故郷を離れた元日本代表・駒野友一の原動力【独占インタビュー】