4月からスタートした新ドラマ『あなたがしてくれなくても』(フジテレビ系)。この作品では、奈緒と永山瑛太、田中みな実と岩田剛典がそれぞれ夫婦の役を演じ、30代夫婦のレス問題という禁断のテーマに切り込んでいる。熟年夫婦の間で取り上げられることが多いレス問題だが、悩んでいる若年層も多いようだ。
絶望する31歳女性。夫から「明日朝早いから」と毎回あしらわれ
「『セックスがしたい』=『性欲が強い』は間違い。セックスで快楽とか性欲を解消したいわけじゃないから」こう話すのは、サチカさん(31歳/既婚/会社員)だ。彼女は、『あなたがしてくれなくても』を見て、思わず感情移入してしまったという。
「ドラマの1話後半で、レスに悩む妻が『2年間セックスをしていないんだよ!?』と夫に伝えるんです。そしたら夫は妻に『性欲強くない?』って。ありえないですよね」
サチカさんは、「性欲強くない?」の言葉に絶望する妻の姿と自分を重ねた。
「私も、新婚の頃はいやってくらい夫から求められていたのに、いつの間にかぱったり求められなくなって。勇気を出して私から誘っても『ムラムラしてるの?明日早いから今はいいや』と、毎回あしらわれてしまう」
サチカさんは、「ムラムラしてるの?」という夫の言葉にひどくいら立っている。
「セックスしたいのはムラムラしてるからとかそんな単純な問題じゃない。結婚して夫から求められなくなったら、私は一生誰からも求められないし、そもそも求められてはいけない。それは寂しいし、むなしい。そろそろ『子どもを』と話しているけれど……」
人によって「レス」の定義は違う
サチカさんは、3カ月ほど夫とはセックスをしておらず、自分たち夫婦のことを、 “セックスレス夫婦”だと思っている。そもそもセックスレスとはどのような状態のことをいうのだろうか。
2022年9月に国立社会保障・人口問題研究所が発表した「第16回出生動向基本調査」によると、妻が49歳以下の夫婦に聞いた「過去1カ月以内に夫婦間でセックス(性交)があったか」という質問において、「なかった」という回答が58.5%にも上った。
この結果を受けて、さまざまなメディアが「セックスレス夫婦は6割」と報じるなど、セックスレスの定義は「病気など特別な事情がない、1カ月以上性交渉がないカップル」が一般的となっている。
一方で、セックスがなくても良好な関係を築いているカップルや夫婦がいるのも事実だ。最近では「カップルのうち、どちらかがセックスをしたいと“望んでいる”のに、長期間それができない状態」のことを「セックスレス」と指す認識も広まっている。
サチカさんのケースに当てはめてみると、彼女自身は今の状況を「レス」だと感じているが、サチカさんの夫は「レス」だとは感じていない可能性がある。
サチカさんはこう続ける。
「最近、レスに関する記事で紹介されているセルフプレジャーグッズや、女性用風俗に関する情報を見て少し興味を持ったけど……。今の私が利用しても、むなしくなってしまうような気がして。私はセックスがしたいわけじゃなくて、夫としたいので」