「オフィスチェア」と「ゲーミングチェア」は何が違う?「違いの分かる人」になれる椅子の豆知識

4月14日は椅子の日! 「オフィスチェア」と「ゲーミングチェア」の違いなど、「違いの分かる人」になれる椅子の豆知識をご紹介します。

4月14日は椅子の日! 日付が「よい(4)椅子(14)」と読めることから制定されました。


今回は「オフィスチェア」と「ゲーミングチェア」の違いなど、「違いの分かる人」になれる椅子の豆知識を紹介します。
 

画像出典:いらすとや

 

「スツール」と「オットマン」の違い

スツールとは、背もたれや肘掛けのない1人用の椅子のこと。組織のトップを意味する「チェアマン」という言葉があるように、17世紀ごろまでチェア(chair)には貴族など社会的地位のある人たちが使う椅子という意味があり、実用的な腰掛けであるスツールとは区別されていました。


一方のオットマン (ottoman) は、椅子やソファーの前に置く足置きのこと。18世紀ごろにオスマン帝国で使っていたディヴァン(divan)という背もたれのないベンチ型のソファがヨーロッパで小型化したものが、オスマン帝国の英語名である「オットマン」と呼ばれるようになったのがはじまりです。


用途として、スツールは腰かけるのがメイン、オットマンは足を置くのがメインであるものを指します。また、スツールは腰かけるだけの簡易的なものであるのに対して、オットマンはクッション性があって寛げるものであるという違いもあります。

 

「ソファ」と「カウチ」の違い

ソファ(sofa)とは、1人から数人が座って寛げるように、柔らかい背もたれや肘掛けの付いた家具のこと。一方のカウチ(couch)は、横たわることを意味する古いフランス語の「couchier」に由来していて、元々は診察台などを指していました。


それがイギリスに伝わり、片側に傾斜のついた肘掛けがあるソファを指す言葉として使われています。用途として、ソファは腰かけるもの、カウチは横たわるものという違いがあります。


ただ北米では横たわるという意味合いではなく、主に「2人掛けのソファ」を意味する言葉として使われています。日本では、イギリス的な意味合いが含まれていて、ソファの中でも特に足を伸ばせる長い座面があるものを「カウチソファ」と呼んでいます。

 

「オフィスチェア」と「ゲーミングチェア」の違い

オフィスチェア(office chair)とは、机に向かう事務作業用に作られた椅子のこと。使いやすいだけでなく、使用者の体格差や姿勢変化に対応するためのさまざまな可動機構を持った「動く椅子」であることが特徴です。


18世紀の産業革命によるオフィスワークの専業化をきっかけに、座面が水平回転するなどの簡易的な機能からはじまったとされています。


一方のゲーミングチェア(gaming chair)は、その名の通りゲームプレイ向けに作られた椅子のこと。2006年、レーシングシートを生産していたアメリカのDXRACER社が、当時の自動車市場の停滞をきっかけに制作したものが世界初のゲーミングチェアとされています。


オフィスチェアとの違いは、市場を意識した派手なカラーリングと、比較的安い価格帯であること。
 

また、レーシングシートをデザインの原形とする肩と頭まで支えるハイバック仕様、バケットシートと呼ばれる左右のへりを高めて尻や肩を包み込む形状、そして可動しない固定のリクライニング機能。これらによって長時間の精密なゲームプレイに対応する「上半身のホールド感」が特徴です。


いわばオフィスチェアが「動く椅子」であるのに対して、ゲーミングチェアは「動かない椅子」であるという違いがあります。


リモートワークが増えて、ますます座る時間が増えている昨今。ぜひこの機会に、いい椅子について考えてみてはいかがでしょうか。


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