婚活に潜む「マルチ商法」の罠。街コンで出会った婚活仲間から“勧誘”された26歳独身女性の実話

街コンや婚活アプリなど、婚活の選択肢は多様になり、よりカジュアルに変化した。そのおかげで、気軽に出会いを探せるようになった一方、怪しい勧誘を受ける機会も増えているという。今回は、婚活がきっかけで、高額のビジネススクールに勧誘された独身女性に話を聞いた。

「仕事のつながりの知り合い」謎の集まりのバーベキューに誘われ

「次の日、リカさんからLINEが来ました。早速バーベキューに誘われたんです。お断りしたら別日でまたお誘いを受けて。『その日なら空いてます!』と返信したら、『仕事終わりに軽く食事でもどう? 話してた知り合い紹介するよ~!』って。

ここでちょっと変だな、と気づけばよかったのかもしれません。でも私は失恋したばかりで少しでもチャンスがあるなら……という気持ちでした」
 
沙良さんの話を元に筆者が作成したLINEのトーク画面

沙良さんとリカさんは仕事終わりに飯田橋のイタリアンレストランで待ち合わせたという。そこにリカさんと1人の男性が現れた。男性は30代前半くらいで普通のサラリーマンに見えたのだが……。
 
「男性は結構格好よかったし、私の話をよく聞いてくれる方でした。でも中盤、『沙良ちゃんって、仕事も恋愛ももっと充実させることができると思う!』と急に熱弁を始めて。リカさんも男性に出会って私は変わったという話を始めました。

そして『こういうのがあってね……』とおもむろに自己啓発スクールの案内を出してきて。恋愛にもつながるし、友人を会員に誘うと収入が入ると説明されました。ちょっと怪しいと思いつつも心が揺れましたね。ただ、入会金が10万以上かかるんです。その日は『考えます』と言って、逃げるように帰宅して」
 
その後も、何度もリカさんからLINEが届くようになった沙良さん。一緒に街コンに行った友人に連絡をしてみることに。
 
「友人に『ねぇ、リカさんからLINEきた?』と聞きました。友人は『きてない』と。私がLINEを見せると『これ、絶対マルチだよ!』と言われました。友人は、大学時代に全く同じ手口でマルチの勧誘を受けたことがあるので、今回も同様の手口だと気付いたようです。

正直私はリカさんも好きだったし、コロナ禍で出会いも減っていたので、コミュニティーができるのはちょっといいかも……なんて考えていたのですが」


>次のページ:20代のマルチ商法トラブルが増加。その理由は?

 
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