多様化する現代の恋愛・婚活事情。マッチングアプリや婚活サービスが身近なものとなり、出会いの手段が増えた一方で、失敗や後悔、忘れられない驚がくの“婚活事件”も増えている。恋愛ライター・毒島サチコによる連載「本当にあったアラサー婚活事件」の第6回は、実際のエピソードをもとに「街コンに潜むマルチ商法の罠(わな)」について紹介する(第5回はこちら)。
身分証明書の提出義務がある街コンで出会った「婚活仲間」
「街コンで出会った女性に高額のビジネススクールへ勧誘されました。いわゆるマルチってやつです」こう話すのは、沙良さん(仮名/26歳/会社員)だ。彼女は半月前に恋人と別れており、傷心中だった。
「友人と都内で行われた立食式の街コンに参加しました。会場には50人くらいの男女がいましたね。自由に席を移動できる形のフリースタイルの街コンでした」
沙良さんが参加したのは、男女ともに受付で身分証明書の提出が求められる、20~35歳以下の年齢制限のある“街コン”だった。
「フリースタイルの街コンだったからか、積極的に話しかけて盛り上がる人と全く盛り上がらない人とで二分していました。途中ゲームもあったのですが、初参加だった私と友人は、緊張して会場の隅で飲んでいて(笑)。声をかけてくれる男性と何度か話すも、あまり盛り上がらず……。後半もう帰ろうかって雰囲気になっていた時に『ご一緒してもいいですか?』ときれいな女性から声をかけられたんです」
沙良さんとその友人に声をかけてきた女性は、リカさん(仮名・自称31歳)。スーツ姿で高身長の女性だった。
「リカさんは『友達と参加する予定だったけど、仕事で来れなくなっちゃって……。1人で心細いので一緒に飲みません?』と。すごく感じのいい女性だったので、空いている中央の席に移動して3人で飲みはじめました。すぐに男性3人組から声をかけられたのですが、リカさんは男性には目もくれず、私たちばかりに話しかけてきたんです。
『2人はどんなお仕事されてるんですか?』とか『街コンは良く参加するの?』とか。リカさんは都内の人材派遣会社で働いていると言っていました。さらに『なかなかいい人いないよね~。私の知り合いのほうが沙良ちゃんに合うかも! 今度紹介する! 』と。すぐにリカさんと打ち解けていき、最後は女子会みたいになっていましたね」
リカさん目当てに声をかけてくる男性も多かったが、彼女は男性の話は適当に受け流していた。
「街コンが終わりに近づくと、リカさんは自然な流れで私たちの連絡先を聞いてきました。私も友人もなんの抵抗もなくラインを交換しましたね。帰り際にリカさんに『またね』と声をかけて帰る女性が何人か見たので、リカさんはこの街コンでは女性とばかりしゃべっていて、よっぽどお目当ての人がいなかったんだな~とその時は考えていたのですが……」
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