そこで今回は、調理師免許を持つグルメライターの筆者が、鶏もも肉・鶏むね肉を中心に、鶏肉の部位の解説やおすすめの調理法を紹介します。使い分けが楽しくなる、それぞれの個性に迫ってみましょう!
鶏肉の部位を見てみよう
まずは鶏肉の部位を簡単なイラストで見てみましょう。鶏の体はこのようになっています。体重を支える「もも肉」に、翼を動かすための「むね肉」。「手羽」と呼ばれる翼の部分は、主に3種類に分けられ、販売されています。砂肝やレバー、ぼんじりなどは焼き鳥の串でもおなじみですね。
ここからはそれぞれの部位について、詳しく見ていきましょう。
「鶏もも肉」はジューシーでコクたっぷり!
脂肪を多く含み、コク深い味わいが楽しめる鶏もも肉。体重を支えているため、ほかの部位より筋肉質で、白い筋も多く通っています。
調理法は、ジューシーな味わいを生かして唐揚げやフライなどにするほか、炒め物やソテーにもおすすめ。幅広い料理に利用できます。
ちなみに、クリスマスなどによく食べる骨つきもも肉は「レッグ」。こちらを分割すると、フライドチキン店でよく見かける「サイ(ひざ上)」「ドラム(ひざ下)」となります。
「鶏むね肉」は、淡白な味わいで食べやすい!
低脂肪、高タンパクな鶏むね肉。若鶏100g当たりでもも肉とエネルギー量を比べてみても、
もも肉・皮つき:約190kcal/皮なし:113kcal
むね肉・皮つき:約133kcal/皮なし:105kcal
と、同じ鶏肉でも大きく異なります(日本食品標準成分表2020年度版より)。
味はあっさりと淡白なので、蒸し鶏やソテーもおすすめ。付け合わせやソースなど、味付け次第でいろいろな楽しみ方ができます。ただ加熱するとパサパサになってしまうことも。これは、肉のタンパク質が加熱により収縮してしまうためです。
脂肪が多いもも肉ではそれほど硬くなりませんが、むね肉は筋肉の膜が薄く脂肪が少ない肉質。もも肉よりも火が通りやすい分、内部の水分も一緒に流れ出てしまいます。
そこで鶏むね肉を調理するときは、「加熱時間をなるべく短く」がポイント。薄くそぎ切りにしたり、余熱で火を通したり。片栗粉をまぶして表面をコーティングし、水分を保つのもおすすめです。
「鶏ささみ」は、むね肉よりさらに低カロリーでヘルシー!
鶏肉で1番脂肪が少ないささみ。笹の葉に似た形のため、笹身(ささみ)と名付けられています。日本食品標準成分表2020年度版によると、鶏むね肉(皮なし)の場合のカロリーは100g当たり105kcal、対して鶏ささみは98kcalと少なめです。
調理法としてはむね肉とほぼ同じ。硬くなりやすい肉質なので、加熱時間は短めにすると、ふっくらと柔らかく仕上がります。ソテーや蒸しもののほか、揚げ物でもあっさりと食べられますね。
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