M世代の韓国エンタメウォッチャー・K-POPゆりこと、K-POPファンのZ世代編集者が韓国のアイドル事情や気になったニュースについてゆるっと本音で語る【K-POPゆりこの沼る韓国エンタメトーク】。韓国エンタメ初心者からベテランまで、これを読めば韓国エンタメに“沼る”こと間違いなし!
#14のテーマは急展開で買収騒動が終結した「SMエンターテインメント」のこれからについて。
K-POPの礎を築き、業界を長年リードしてきた大手事務所がお家騒動を経て目指すものとは? K-POPファンの“推し活”にも関係がありそうな部分をピックアップし、韓国の報道や翻訳ニュースでは分かりにくい部分を簡単に解説していきます。
【前回の記事(#13)はこちら】
SMエンタのお家騒動に急展開
編集担当・矢野(以下、矢野):このところ注目を集めていたSMエンターテインメント(以下、SM)のお家騒動(買収騒動)、あっという間に終結してしまいましたね。
K-POPゆりこ(以下、ゆりこ):拍子抜けするほどの急展開でした。SMの大株主の座を狙って、韓国のIT大手企業・Kakaoグループ(以下、カカオ)とBTSなどが所属するHYBEが買収戦を続けていましたが、最終的にはHYBEが身を引くという形で決着しました。その代わりにHYBEは「プラットフォーム事業」に共同参画することになりました。
矢野:株価をつり上げ合うデスゲームを続けると、双方が苦しくなりますもんね。それにしてもHYBEが発表したSMの新ロゴは何だったんだろう。
ゆりこ:物議を醸しましたね。今振り返ると勇み足だったし、正直あのデザインからはSMへの敬意が感じられなかったなぁ。
矢野:HYBEもかなり叩かれてしまって、SMとHYBE、両アーティストのファンがモヤモヤする地獄絵図に。誰も幸せになっていない状況で「早く終わってくれ……」と願っていました。
ゆりこ:そして予想以上に早くかなった(笑)。これまでの経緯はどうであれ、傷が広がる前にカカオとHYBEの経営陣が落としどころを決めたのは英断だったと思います。
矢野:改めて現時点の状況を教えてもらえますか?
ゆりこ:2023年3月31日にSMの株主総会が開かれ、新しい経営陣が決定しました。非常務理事としてKakaoエンターテインメントのグローバル戦略担当副社長の名前もありましたね。創業者イ・スマンさんは欠席、私怨も見え隠れしつつ前向きな送別コメント(?)を残していました。一方で、株主からは「理事メンバーの中に芸能、音楽のプロが不在」と新体制を不安視する声も上がっています。
矢野:いわゆる“ビジネス畑”の人で固めたんですね。そんな中、僕が1番気になるのは「で、今後どうなるの?」というところなんですよ。カカオが実質的にSMの経営権を握るのでしょうか。結局この騒動を経て、K-POP業界の何がどう変わるのかな? って……。