BTS抱えるHYBEが買収? お家騒動で揺れる「SMエンタ」のこれまでを振り返る【K-POPゆりこの沼る韓国】

M世代の韓国エンタメウォッチャー・K-POPゆりこと、K-POPファンのZ世代編集者が韓国のアイドル事情や気になったニュースについてゆるっと本音で語る【K-POPゆりこの沼る韓国エンタメトーク】。韓国エンタメ初心者からベテランまで、これを読めば韓国エンタメに“沼る”こと間違いなし! #12は「K-POP業界を代表する大手事務所」について。

M世代の韓国エンタメウォッチャー・K-POPゆりこと、K-POPファンのZ世代編集者が韓国のアイドル事情や気になったニュースについてゆるっと本音で語る【K-POPゆりこの沼る韓国エンタメトーク】。韓国エンタメ初心者からベテランまで、これを読めば韓国エンタメに“沼る”こと間違いなし!

#12のテーマは突如勃発したSMエンターテインメントのお家騒動に関連し、「K-POP業界を代表する大手事務所」について。

長らく韓国の音楽業界を牽引してきたSM、YG、JYPの特色と功績、そしてBTSと共にトップ企業へ成長したHYBEの強みを、これまでのK-POP史と合わせて振り返ります。

【前回の記事(#11)はこちら
 

HYBEが買収? いま何かと話題の「SMエンターテインメント」

SMエンターテインメント
SMエンターテインメント 写真:Lee Jae-Won/アフロ

編集担当・矢野(以下、矢野):最近のK-POP大ニュースといえばSMエンターテインメント(以下、SM)の件ですよね。HYBEに買収されてしまうのか、それとも? という。

K-POPゆりこ(以下、ゆりこ):日本でも報道されていますよね。韓国でも連日、新しいニュースが上がっています。すでに芸能ニュースの域を越えて経済、社会ニュースとして扱われていますね。

矢野:そんな中で、ふと「そもそも韓国の芸能事務所とは?」というところから知りたいなと思ったんです。SMが大きな会社だということも知っていますし、TWICEが所属するJYPエンターテインメント(以下、JYP)も有名ですよね。そしてBTSをきっかけにHYBEの名前もバッチリ覚えました。でも、それぞれの特徴や強みなど詳しくは知らなくて……僕も含めたライトなK-POPファンの皆さんに対して、改めて解説してほしいなぁと。

ゆりこ:かしこまりました! では今回は、韓国の芸能事務所の基礎知識編ということで、私の知りうる限りの事情をお話ししますね。

矢野:まず押さえておくべき事務所から知りたいです! 代表的な会社の特徴とか。

ゆりこ:では最初に、多くのK-POPファンが目にするであろう大手4社について解説しますね。今回渦中にいるSM、HYBE、JYP、そしてBLACKPINKが所属するYGエンターテインメント(以下、YG)ですね。
 


矢野:K-POPのニュースを見ると必ず出てくる名前だ……! ずっとその4社が力を持っているんですか? それとも時代に合わせて勢力図や顔ぶれは変わってきたのでしょうか? 今もまさに変化が起きそうな状況ですが……。

ゆりこ:BTSが大成功を収めるまでは長らく、SM・YG・JYPが「3大事務所」と呼ばれていました。創業順ではSMが最も古く「SM企画」という社名で1989年にスタート、YGとJYPの前身の会社は1996年です。現在のHYBE、Big Hit エンターテインメントは2005年と、ひと世代若い会社といえます。

矢野:3社は僕の生まれる前からあったなんて……意外と古い。

ゆりこ:日本のジャニーズ事務所やアミューズ、スターダストプロモーションの創立が70年代と考えると、K-POPアイドルの歴史はまだ新しいともいえますが、それでも四半世紀を超えています。

矢野:昔『冬のソナタ』とか韓流ドラマの一次ブームがあったと聞いたのですが、それよりも前から韓国ではK-POPアイドル文化が始まっていたということですよね。

ゆりこ:そうなんです。ですので、各事務所の特徴はK-POP史と併せてお話しした方が良さそうですね。切っても切り離せない部分がありますから。これまでの流れを知ると、各事務所のアーティストのコンセプトや曲への理解も深まるかもしれない。

矢野:今なぜSMのお家騒動がこんなに注目されているのか、ファンが心配している部分についても理解できそうな気がしています。僕を含め、長年SMを追っているわけではないK-POPファンにとっては、実はピンときていない部分もあると思うのです。
 

>次ページ:なぜ「SMのお家騒動」は注目されている?

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