3月8日は、女性たちによる参政権運動などを起源とし、国連によって制定された「国際女性デー」。All About編集部では、この記念日に合わせ「フェミニズム」に関するアンケート調査を実施しました。同調査は、全国の10〜70代の男女500人を対象に、インターネット上で実施(調査期間:2023年2月13〜14日)。今回は、現在の日本における「男女の地位や権利」の平等について、回答者からの率直な意見を紹介します。
現在の日本社会では「男性が優遇されている」との声が約7割
「どちらかといえば男性が優遇されている」と回答した約半数の回答者からは、
「主に仕事面で、男性社会のところがまだ多いと思います(38歳女性)」
「権利については理念的には平等に近づいていると思われますが、実態を見ると政治経済の数字的な面ではまだまだ男性が有意であり、格差があるのではないかと思われます(74歳男性)」
「以前よりも会社における女性が占める役割の割合が増えたが、年収で見た時に男女差があるのではないかと思うから(21歳女性)」
など、表立った権利としては平等の動きが加速しているが、実際に職場などではまだ格差を感じることが多いとの声が寄せられました。
「平均年収が圧倒的に高い」給料や昇格の面で差を感じる人も
「男性が優遇されている」と回答した人からは、ほかにも「男性の方がお給料が高かったり、昇格しやすかったりするから(35歳女性)」
「平均年収を比べると男性の方が圧倒的に高いから。学生時代の成績はむしろ女子の方が良いと思うのに(48歳女性)」
「やはり、役員や重要ポストは男性が多い。また、産休なども基本的に男性は取りづらい(29歳男性)」
「育休などはまだ女性が取得するものという考えが浸透していると感じたため(29歳女性)」
などの声が寄せられ、育児休暇は「女性が取るもの」という固定概念が根強いとの声もありました。
さらに、
「大企業は平等になりつつあると思うが中小企業では男性の雇用が多い(53歳男性)」
「平等になってきたとは思うが、地方ではまだまだ男性が有利なのではないか(29歳男性)」
など、都心部と地方や、大企業と中小企業で比べると、浸透度合いの差を感じるとの声もありました。
女性を「社会的弱者と保護」することで結果的に優遇、の声も
一方、「どちらかといえば女性が優遇されている」と回答した人からは「建前上、女性の昇進の可能性が高くなってるから(34歳女性)」
「女性だからというだけで、訳のわからない意見でも採用されている(38歳男性)」
「女性にはいろいろと会社では配慮されている(57歳男性)」
など、男女平等を唱える建前上の動きにより、女性が優遇される場面が増えてきたとの声もありました。
ほかにも、
「シングルファザーがよくわかりやすいと思いますが、事故や病気になって働けなくなっても生活保護を受けられなかったり支援の輪に入れなかった等、男性だから大丈夫といったことが多いと感じます(39歳男性)」
「社会的弱者と保護すれば結果的に優遇されるようなものだから(45歳女性)」
「弱者としての社会保障を受ける面で女性は優遇されているように感じるし、表向きは平等という事になっているのであからさまな差別をすると一応炎上しそうだから(46歳女性)」
など、“弱者である女性を守る”という動きから、結果として女性が優遇されている場面は多い、との声も寄せられました。
>次のページ:日本社会で「男女の地位や権利」は平等? 男女別の回答傾向は?
※回答者のコメントは原文ママです
【おすすめ記事】
・日本は「ジェンダー平等」が進んでいる? 遅れている? “意識が低すぎる”と厳しい声も【500人調査】
・普段の生活で「男女格差」を感じるときは? 「育休は女性が取るもの」「男性はおごるべき」に疑問の声
・「ジェンダーギャップを感じる職場の慣習やルール」ランキング! 根強い男女差、“納得いかない慣習”1位は?
・「順位をつけない徒競走」はやりすぎ? コンプラやジェンダー配慮で“変化”した運動会
・マイメログッズ「販売中止」に137人が賛否。“ジェンダー表現”の物議に「息苦しい世の中」の声も