ちまたで話題の「おじさんLINE」とは
数年前から何かと話題の「おじさんLINE」。「おじさんLINE」とは、独特の絵文字やカタカナ使いが特徴で、若者から「おじさんっぽい」と思われるLINEのことを指す。この「おじさんLINE」に対し、SNS上には「不快だ」「気持ち悪い」といった否定的な声が多く上がっているが、中には「なんかかわいい」「むしろうれしい」という好意的な声も聞かれる。今回は「おじさんLINEうれしい派」の意見を深堀りした。ブームからおさらいする「おじさんLINE」の特徴
「おじさんLINE」と呼ばれる文面にはいくつかの特徴がある。まずは、サンプル文例を元に、特徴をひもといていく。特徴1:「!」「!?」を絵文字にして多用する
「おじさんLINE」と呼ばれるLINEの最大の特徴は、「!」「?」を多用すること。さらに、それを絵文字にして送ってしまうため、文章全体のテンションが高い。
特徴2:「お早う!」「有難う!」
「お早う」「有難う」「御免ね」など、決して使い方は間違ってはいないけれど、あまり使わない漢字を使うのも特徴。さらに【特徴1】の絵文字がプラスされることで、おじさん感がアップ。
特徴3:独特の絵文字
自動変換で出てくる絵文字をそのまま使用することも。さりげなく絵文字で下ネタをぶっこんでくるのもおじさんLINEの特徴だ。
特徴4:カタカナの多用
上記の「お早う!」の漢字に加え、「〇〇チャン」「~ダヨ」など、ひと昔前に流行したデコメールのようなカタカナ使いも。
特徴5:おじさん通信&自慢&1人ツッコミ
LINEが「おじさん通信」になることも。聞いてもいないのに、今日の天気や、状況を日記のように報告するのもおじさん構文だ。
さらに、「限定の」「予約の取れない」など、おじさんならではの財力アピールも欠かせない。中には送信後、自分のLINEに自分でツッコミをいれるという、1人ボケツッコミスタイルを確立するおじさんも。
以上、大きくおじさんLINEの特徴を紹介した。サンプル文面を見てみると「不気味だ」と感じる人も多いと思うが、中にはおじさんLINEを好意的に受け取る人も。詳しく話を聞いた。
「お天気おじさん」上司の天気報告に癒される30歳女性の本音
「おじさんLINE、めっちゃ癒されます(笑)」こう語るのは、ひろ子さん(仮名・30歳)だ。彼女は仕事のプロジェクトチームのLINEに送られてくる上司の「おじさんLINE」に、毎朝“癒される”のだという。
「毎朝、業務開始報告をするのですが、その際に、53歳の上司が『お早う!今日も頑張ろう』というザ・おじさんLINEとともに、『今日の天気』を教えてくれるんです。それが日課なので、天気予報を見なくても、その日の天気が分かって助かってます(笑)」
「たまに、『昨日は〇〇会社の〇〇さんと、予約がなかなか取れない丸の内の高級寿司屋で飲みました!』とか全く業務に関係ない報告もあるんですが、部下はみんなスルー(笑)。でも、上司はまったく気にしてないようでした」
そんなある日、突然、上司からの「お天気おじさんLINE」がぴたっと止まったのだという。
「お盆明けの2日間、突然上司が“今日の天気”をやめて、『今日も1日頑張りましょう』と、絵文字も何もない通常の業務開始のLINEを送ってきたんです。私を含めた部下たちは『〇〇さん、なにかあったのかな!?』と心配して。寂しさすら感じました。でも数日後、何事もなかったかのように復活して(笑)。良かった……」
このとき、ひろ子さんは、おじさんLINEならではの魅力を感じたのだという。
「みんなが業務的なテンションの低いやりとりをする中で、1人だけ朝からテンションが高く、『うっとおしいな』と感じるときもありますが……。やっぱりあの独特のテンションの高さや、マメさ、おじさんっぽさに、実は癒されている部分も多いんじゃないかって」
今では、憂鬱(ゆううつ)な月曜日の朝、上司の「おじさんLINE」が少し楽しみになっているという。
「おじさんLINE」は実はモテLINE!?
ひろ子さんのように、おじさんLINEに好意的な印象を持つ女性は多い。SNS上の好意的な声のほとんどは「マメ」「優しい」といったものだ。恋愛においては、「連絡頻度」「(主に男性の)文章がそっけない」など、LINEがきっかけでいろいろな問題が起こる。一方、おじさんLINEは「優しい」「温かみがある」「マメ」など、モテLINEになり得る要素を含んでいるともいえる。
上記に紹介したおじさんLINEに見られる5つの特徴が、主におじさんLINEをネガティブな印象にしてしまう要因ではあるが、その多くが、絵文字・不自然なカタカナ・漢字などの“使いまわし”の問題。これらは少しの心掛けで、修正可能だ。
ストレートに女性を誘ったり、自己アピールをしたり、気遣いを見せたり……。実は「おじさんLINE」は「モテLINE」に化ける可能性を秘めているのかもしれない。
※回答者のコメントは原文ママ
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