All About編集部は、全国の10〜60代の男女268人を対象に、「小説」についての独自アンケート調査を実施しました(調査期間:2022年10月17日〜11月17日)。今回は、その中から「好きな日本の男性小説家」ランキングを発表します。
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第3位:村上春樹
第3位は、村上春樹さん。2016年に発売された短編小説集『女のいない男たち』(文藝春秋)に収録されている『ドライブ・マイ・カー』を原作とした映画『ドライブ・マイ・カー』が第94回アカデミー賞国際長編映画賞を受賞し、話題を呼びました。村上春樹さんのファンを指す「ハルキスト」という言葉が存在するほど、世界中に熱狂的なファンが存在します。回答者からは、「唯一無二の文章で、引き込まれるからです。『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』などは好みです(29歳男性)」「特に好きな作品はノルウェイの森です。文体が独特で、惹き込まれるような作風だと思います(28歳女性)」「言葉の言い回し等、独特の表現がされており、読んでいて心地良いから。好きな作品は『ノルウェイの森』です(36歳女性)」など、慣用句の使い方や比喩表現など、独特な文体に引き込まれるという声がありました。
ほかにも、「自然の中で読んでいるような落ち着いた気分になる時もあれば、すごく嫌なきもちになる時もあるから(42歳女性)」「多くの古典作品の登場、ややアメリカ文学っぽい文体やキャラクターの喋り、独特な趣味嗜好、価値観がとても衝撃的でした。こんなのありえねーだろ! こんな奴いるわけねーだろ! いやそうはならねーだろ! という人物や過去話、とんでもない肉体関係すらも著者の作品だと一つの表現として成立させてしまう魅力があり、惹きつけられます(29歳男性)」「エッセイが面白い(23歳男性)」など、趣味や旅行記、海外生活など幅広いジャンルで書かれているエッセイも人気を集めました。
第2位:伊坂幸太郎
第2位は、伊坂幸太郎さん。個性的な殺し屋が登場する“殺し屋”シリーズの小説『マリアビートル』(角川書店)が原作となった、ブラッド・ピット主演のハリウッド映画『ブレット・トレイン』が9月に公開され、大ヒットを記録しました。息をのむようなスピード感のある展開、物語の舞台として描かれることが多い宮城県仙台市の風景描写など、独特な世界観が国内外で人気を集めています。回答者からは、「全く関係なく構成されているであろう話が、最後に全てがつながっていく話に読んでいて楽しいし、1つの作品を読み終えたんだなと実感できる(36歳男性)」「色んな人物やストーリーがある中で 最後は全部が繋がってひとつのストーリーになるのが、読んでて楽しい(37歳女性)」「バラバラな話がある起点で一つにまとまっていく快感が凄いと思うから(37歳女性)」など、最初は無関係と思われていた要素から次々と関連性が見えてくる構成が楽しいというコメントが寄せられました。
さらに、「伏線の張り方とどんでん返しがものすごく上手い。文体は好き嫌いが分かれるが、ハマる人にはものすごくエモい。特に好きな作品は『アヒルと鴨のコインロッカー』と『チルドレン』(33歳女性)」「個性的なキャラクターとユニークな会話、独特な世界観がクセになります。私はアヒルと鴨のコインロッカーが一番好きです(34歳女性)」「いかにもシュールなSF、ミステリー、クライム小説作品を書いているからです。たまに心に残るような作品があって良いと思いました(22歳女性)」など、スピード感があるのに落ち着いた文体やシュールな中に見えるテーマに感動するという声もありました。
第1位:東野圭吾
第1位は、東野圭吾さん。1985年に刊行されたデビュー作『放課後』(講談社)が江戸川乱歩賞を受賞。2005年刊行の『容疑者Xの献身』(文藝春秋)でも直木賞を受賞するなど、日本を代表するベストセラー作家です。数多くの作品がドラマ化・映画化され、福山雅治さん主演のテレビドラマ『ガリレオ』シリーズ(フジテレビ系)、広末涼子さん主演で映画化された『秘密』など、いずれも大ヒットを記録しています。回答者からは、「一緒に推理しながら読むが、いつも考えつきもしない結末で、スッキリ感・満足感がすごい。特に好きなのはマスカレード・ホテル、容疑者Xの献身(31歳女性)」「流星の絆を読んでから東野圭吾作品が大好きになりました。どの作品も読み終わった後、また最初から読み直したくなる無限ループ状態になります(27歳女性)」「東野圭吾さんの作品はジャンルが幅広いが、どの本も読んではずれが無い。読者に納得させるような結末の迎え方や、表現の分かりやすさが、また次の作品を読もうと思わせる(38歳女性)」など、読後感が良いというコメントが寄せられました。
また、「ミステリーの流れや伏線回収が素晴らしいから。どの作品を読んでも外れがなく、面白い作品ばかり書いているから(24歳女性)」「ミステリーの中に人間の本質を問うようなテーマであったり、人間関係をしっかり描くから。特に好きな作品は容疑者Xの献身(21歳女性)」「数ある作品の中でも『祈りの幕が下りる時』が、心に残り続ける作品です。父と娘について考えさせられました。古さを感じさせない、力強さがあります(38歳女性)」など、伏線回収が巧妙なミステリーの中でも、登場人物の繊細な心情描写に感動するという声も多くありました。
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※回答者のコメントは原文ママです
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