「あの銘店をもう一度」第7弾は北海道・札幌「名人の味 爐(いろり)」
新横浜ラーメン博物館(以下、ラー博)は2024年に迎える30周年に向けて、7月1日から「あの銘店をもう一度」プロジェクトをスタート。過去に出店したことのある約40店舗の銘店が2年間かけ3週間のリレー形式でラー博に出店します。
11月4~24日の第7弾は、北海道・札幌「名人の味 爐(いろり)」です(画像はすべて提供)。
北大の学生たちの呼び名が屋号に
「名人の味 爐(いろり)」は1951年創業。初代・大関十一郎さんが北海道大学の恵迪寮(けいてきりょう)の近くに店舗を構えたことからお店の歴史がはじまります。
店内には囲炉裏(いろり)があり、そこで焼き燗を出していたそうです。雪の降りしきる札幌で、学生たちは囲炉裏のあるそのお店に熱いラーメンを求めて往復し、足跡で出来た道を北大の学生たちは親しみを込めて「爐(いろり)街道」と呼んでいたのだとか。それが屋号となりました。
現在は、発寒南(はっさむみなみ)に店舗があり、創業者の兄・鉄三さんの長男・徹史さんが70年を超える爐の看板を守っています。
「期間限定店」の第1弾としてラー博に出店
ラー博へは、1996年3月20日~9月30日の期間限定で出店。日本全国の多彩なラーメン文化を期間限定で紹介する企画「新横浜着 全国 ラーメン紀行」の第1弾として登場しました。
ラー博が開館して2年、レギュラー店であった喜多方「大安食堂」が卒業する事となり、「レギュラー店以外に期間限定店を設けて、より活着なサイクルで多くのお店を紹介出来ないか」との思いから始まったのが「新横浜着 全国 ラーメン紀行」プロジェクト。切り口は「ご当地」であることはもちろん、個性、話題性なども加味し、日本全国の多彩なラーメン文化を柔軟に紹介していくというものでした。
当時、すでにレギュラー店に札幌「すみれ」があったにもかかわらず、あえて同じ札幌の「爐」を誘致したのは、同じ札幌でも幅広いバリエーションがあることを紹介したかったこと、そして「爐」のラーメンが紹介すべき独特な味わいだったことが挙げられます。
丼一面を覆う、真っ黒なスープの正体とは
「爐」のラーメンの特徴は、丼一面を覆う真っ黒なスープ。イカ墨が入っているのかと思いきやそうではなく、その正体は「特製焦がしラード」です。
「爐」には2種類のラーメンがあります。その一つ「らーめん」には野菜の旨みがつまった特製焦がしラードが、もう一つの「スペシャルらーめん」にはさらに魚介類の旨味が加わったものが使われています。
「スペシャルらーめん」の特製焦がしラードは、自家製ラード(市販の精製ラードではこの味が出ないとのこと)に野菜やツブ貝、ホタテ貝、あさり、イカ等を入れ、中華鍋を使い強火で焦がします。
旨味が凝縮した特製焦がしラードに豚骨を強火で炊いた白湯スープを加え、タレを入れて真っ黒なスープが完成します。
麺は札幌ラーメンでおなじみ、西山製麺の多加水熟成ちぢれ麺。力強いスープに負けない弾力とコシを兼ね備えています。
具材は「らーめん」にはチャーシュー、もやし、メンマ、そして「スペシャルらーめん」にはさらに挽肉、魚介類(ツブ貝、ホタテ貝、あさり、イカ等)が加わりボリューム満点です。
「スペシャルらーめん」のスープは真っ黒ですが、「らーめん」のスープはこげ茶で「スペシャルらーめん」と比べるとややあっさりとした味わいになっています。食べ比べを楽しんでみてください。
「あの銘店をもう一度」第8弾は福岡・久留米「大砲ラーメン」です。
「あの銘店をもう一度」情報
期間:2022年7月1日~約2年間(各店舗約3週間)
場所:新横浜ラーメン博物館
期間中出店数:約40店舗(現店舗除く)
第6弾:岡山・笠岡「中華そば坂本」10月14日~11月3日
第7弾:北海道・札幌「名人の味 爐(いろり)」11月4日~11月24日
“94年組”第1弾:目黒「支那そば 勝丸」11月7日~翌2月26日(予定)
第8弾:福岡・久留米「大砲ラーメン」11月25日~12月15日
URL:https://www.raumen.co.jp/
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