イタリアに「ミラノ風ドリア」は存在しない!? 「違いの分かる人」になれるドリアの豆知識

10月29日はドリアの日! ドリアはイタリア料理ではない、ドリアとリゾットの違いなど、「違いの分かる人」になれるドリアの豆知識をご紹介します!

10月29日はドリアの日! ドリアを考案したサリー・ワイルさんが来日した日にちなんで、ホテルニューグランドが制定しました。


今回は、ドリアとリゾットの違いなど、「違いの分かる人」になれるドリアの豆知識をご紹介します!
 

画像出典:いらすとや

 

ドリアはイタリア料理ではない

実は、ドリアは日本生まれの洋食メニュー。1930年ごろ、横浜ホテルニューグランド開業の際に招かれたフランス料理シェフのサリー・ワイルさんが考案しました。


体調を崩した欧州の銀行家のために即興で提供した、バターライスに芝エビのクリーム煮とベシャメルソースをかけ、オーブンで焼き上げたものが原型とされています。


いちばん最初に作られたドリアは、海老ドリアだったんですね。ドリアという料理名も、16世紀に活躍した海軍提督アンドレア・ドーリアにちなんだものだそうです。

 

ドリアとリゾットの違い

ドリアは、先述の通り日本生まれの洋食メニューであり、ピラフなどの炊いてある米飯の上にベシャメルソースをかけてオーブンで焼き上げるもの。


一方のリゾットはイタリア料理で、生米をブイヨンなどで味付けしたスープで煮込んで炊き上げるという違いがあります。


なお、日本のお寿司屋さんにカリフォルニアロールがないように、本場イタリアの一般的なレストランのメニューにドリアはありません。大人しくリゾットを注文しましょう……!

 

ミラノ風ドリアは何がミラノか

ドリアといえば、イタリアンレストランチェーン『サイゼリヤ』の人気メニューである「ミラノ風ドリア」が有名ですが、ドリアは日本生まれのメニュー。それがなぜ「ミラノ風」なのか。


ミラノ風ドリアは、ターメリックライスにホワイトソース、ミートソース、粉チーズを加えて焼き上げたもの。元々はサイゼリヤの従業員が食べていたまかない料理を商品化したもので、当初は「ミートグラタン」と呼ばれていました。


ところが、メニューが増えて間違えやすくなったため、名前を変更することに。その際、ミートソースがイタリア・ボローニャ地方発祥であることにちなんで、ボローニャに近い「ミラノ」の名前を取ったそうです。


「ボローニャ風ドリア」でいいじゃないかと思ってしまいますが、それだとボロネーゼソースと間違えてしまうから、あえてミラノにしたのかもしれませんね。


また、ターメリックライスを使うところが、サフランライスを使うミラノ料理「ミラノ風リゾット」に見た目が似ていることも理由だそうです。


日本生まれの洋食メニュー、ドリア。ぜひこの機会に、食べてみてはいかがでしょうか。


【おすすめ記事】
「1番おいしいと思うサイゼリヤのメニュー」ランキング! 2位「半熟卵のミラノ風ドリア」、1位は?
「1番好きなサイゼリヤのメニュー」ランキング! 2位「小エビのサラダ」に倍以上の差をつけた1位は?
【意外な事実】洋食の定番「ドリア」はイタリア料理? フランス料理?
「ナポリ風」と「ローマ風」のピッツァは何が違う? イタリア料理の豆知識
「バター」と「マーガリン」は何が違う? 「違いの分かる人」になれるマーガリンの豆知識

 

Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

注目の連載

  • ヒナタカの雑食系映画論

    2024年は漫画の実写化映画の当たり年!? 『シティーハンター』など10作品から「成功の理由」を考える

  • 世界を知れば日本が見える

    もはや「素晴らしいニッポン」は建前か。インバウンド急拡大の今、外国人に聞いた「日本の嫌いなところ」

  • 海外から眺めてみたら! 不思議大国ジャパン

    外国人観光客向け「二重価格」は海外にも存在するが……在欧日本人が経験した「三重価格」の塩対応

  • 恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」

    JR九州の新しい観光列車「かんぱち・いちろく」乗車リポ! 他の列車にはない“一風変わった体験”があった