お店でお買い物をする際、支払い方法の「クレジットカード」と「デビットカード」をよく見かけますが、どんな違いがあるのかご存じでしょうか。実はその意味や使い方をよく理解していない、という方もいるのでは?
この記事では、「クレジットカード」と「デビットカード」の違いや仕組み、使い方について、フリーアナウンサーの花崎阿弓がまとめました。
<目次>
・デビットカードの仕組み
・クレジットカードとデビットカードの違い
・デビットカードとプリペイドカード、電子マネーの違い
・クレジットカードのメリットとデメリット
・デビットカードのメリットとデメリット
・クレジットカードとデビットカードの使い分け方
・まとめ
クレジットカードの仕組み
クレジットカードとは、大まかにいえば「現金がなくても支払いができるカード」のことを指します。代金は使った分だけクレジットカード会社から請求され、後日まとめて銀行口座から引き落とされるシステムです。
クレジットカードを入手するには、各カード会社の審査基準を満たし、通ることが必要となります。
日本の中央銀行にあたる「日本銀行」のクレジットカードの定義は以下となっています。
クレジットカードで支払う場合はどうでしょうか。クレジットカードの保有者はカードを商店に示すことで、「私はこの場であなたにおかねを渡しませんが、あとでクレジットカード会社が私の代わりに決済します。クレジットカード会社はこのことを了解しています」というメッセージを商店に伝えます。
その上でクレジットカードの保有者は、商店が用意した伝票にサインすることで、クレジットカード会社に「私は、この伝票にあるとおりの金額の買い物をしました。この商店に、私の代わりにおかねを払って下さい」というメッセージを作るのです。商店はこの伝票をクレジットカード会社に持ち込み、クレジットカード会社から代金を回収します。次にクレジットカード会社は、商店から回ってきた伝票を、カード保有者が預金口座を開いている銀行に持ち込み、伝票の金額をカード保有者の口座から自分の口座に振替えてもらう。これでクレジットカードを使った支払は完結するわけです。
デビットカードの仕組み
デビットカードとは、銀行口座と紐づけられているカードのことで、支払いと同時に自身の銀行口座から引き落とされます。基本的にカード発行のための審査はありません。銀行口座があれば、満15歳以上の人(中学生を除く)なら利用することが可能です。
日本の中央銀行にあたる「日本銀行」のデビットカードの定義は以下の通りです。
デビットカードで支払う場合、預金者は自分の口座がある銀行の名前・口座番号が記録されているデビットカード(ATMから現金を引き出すときに使うキャッシュカードと兼用になっています)を商店に呈示し、買い物をした金額がその場で自分の銀行口座から引落とされることに同意します。
商店は直ちにこのメッセージをオンラインで預金者の銀行に伝え、預金者の預金残高を買い物の金額だけ減らします。預金残高が足りない場合、その情報がすぐにその場で商店に伝わり、商店はデビットカードでの支払を受けることを拒否することになります。預金者の預金を引落とした銀行は、後日この金額を、商店の口座がある銀行に支払い、商店の口座に入金してもらう。これで、デビットカードを用いた支払は完結することになります。
クレジットカードとデビットカードの違い
そもそもクレジットカードは、商品やサービスなどの決済支払いにおいて、カード保有者の信用によって後払いできるカードのことです。そして、デビットカードもクレジットカードと同じように決済で使えるカードです。
そんなクレジットカードとデビットカードの大きな違い、大きく分けて2つあります。
1. 引き落としのタイミング
1つ目は、引き落としのタイミングです。
クレジットカードは、特定の口座から後日引き落とされる一方、デビットカードは支払いの直後に口座から引き落とされます。クレジットカードもデビットカードも銀行に口座を持ち、その口座から現金が引き落とされる仕組みとなっていますが、現金が引き落とされるタイミングが異なるのです。
2. 引き落としの方法
2つ目は、引き落としの方法です。
クレジットカードは、まとめて後払いや分割払いなど選択可能ですが、デビットカードは、即時まとめて払いとなります。支払いが生じた瞬間に、銀行口座から差し引かれるようになっているのです。
カードの種類においては、クレジットカードもデビットカードもVISAやJCBなど豊富にあります。使い方もスライドや読み取り式、タッチ式などさまざまです。またポイントの還元などがあることも同様です。
デビットカードとプリペイドカード、電子マネーの違い
先にも説明した通り、デビットカードは、銀行口座に直接接続されており、購入時に即座に銀行口座から資金が引き落とされるカードです。デビットカードは通常、個人の銀行口座と関連付けられており、資金の残高に応じて使用できる限度額が決まっています。プリペイドカードは、事前に一定額の資金をカードにチャージしておく必要があります。購入時にはチャージされた資金が使用され、残高が減少します。プリペイドカードは銀行口座とは関連しておらず、使用できる限度額はチャージした金額に制限されます。
一方で、電子マネーは、事前に一定額の資金を電子的な形式で保有し、それを使用して支払いを行うシステムです。電子マネーは通常、専用のカードやスマートフォンアプリを使用して支払いが行われます。電子マネーは銀行口座とは関連しておらず、使用できる限度額は保有している電子マネーの残高に制限されます。
クレジットカードのメリットとデメリット
クレジットカードでは、後払いが可能なので銀行口座にお金が入っていなくても支払えます。また、リボ払いなどの支払い方法があり、持ち合わせているお金以上のものを買えるのが利点です。
しかし、クレジットカードを作成するには審査が必要なこと、18歳以上でないと作成できないことなど、デビットカードに比べて制約が多いと言えます。
デビットカードのメリットとデメリット
デビットカードは、銀行口座に入っている金額のみ使えるので、使いすぎを防げるのがメリットです。また、審査無しで作成でき、15歳以上から利用できます(例外あり)。
ただ、分割払いができないので預金の範囲でしか利用できません。また、クレジットカードに比べてポイント還元も少ないものが一般的です。
ちなみに、デビットカードは以下の2種類に分類されます。
・銀行のキャッシュカードがそのまま使えるもの
・VISAやJCBといった国際ブランドと提携しており、見た目はクレジットカードのように見えるもの
これらの場合でも、利用法方はデビットカードと同様なのが特徴といえます。
クレジットカードとデビットカードの使い分け方
クレジットカードとデビットカードの使い分け方は、以下のように考えることができます。まず、クレジットカードは借り入れによる支払いであり、デビットカードは直接口座からの支払いです。予算管理や借金を避けたい場合は、デビットカードを使用することがおすすめです。
一方で、クレジットカードには、ポイントやキャッシュバックなどの特典が付いている場合があります。また、海外旅行やオンラインショッピングなど、特定のシチュエーションでの利用に便利です。
また、クレジットカードは、不正利用された場合に責任を負わない保護機能があることが多いです。デビットカードは直接口座からの支払いなので、不正利用された場合には即座に口座から引き落とされます。
最終的な選択は、個人のニーズや好みによって異なります。予算管理や特典の利用、セキュリティなどを考慮して、使い分けることが重要です。
まとめ
前述の通り、クレジットカードとデビットカードの違いは「支払いが発生した時の口座からの引き落としのタイミング」と「引き落としの方法」でした。
ご自身の性格や目的に合わせて、即時払いのデビットカードがいいのか、後払いのクレジットカードの方がいいのか、最適なカードを選んでくださいね。