日本人にとって、もともとなじみ深い「マスク」
一般的にマスクは、次の3つの種類があります。
1. 産業用マスク:主に工場などで防塵(ぼうじん)のために使用される
2. 医療用マスク:主に医療現場で感染防止用のために使用される。サージカルマスクとも呼ばれ、主に外科の手術に用いられることから、手術着と同じ青や緑が普及している
3. 家庭用マスク:カゼ、ウイルス、花粉、PM2.5対策などの目的で日常的に使われる。布製マスク(ガーゼ)、不織布マスク、ウレタンマスクなどがあり、ファッション性を考慮した製品も多い
日本には約2000万人もの花粉症患者がいるため、家庭用マスクが普及しています。日本では、家庭用マスクを製造・販売する企業はすでにあり、新型コロナウイルスを1つのきっかけに、ユニクロ、シャープなどの大企業も新規参入しました。
一方、花粉症は海外にも症例はありますが、日本のように深刻な状況ではないため、日常的にマスクをつける習慣はありません。イギリスでマスクをつける人が少ないのは、そもそも家庭用マスクの流通量が少ないことも要因の1つでしょう。
イギリス王室ではマスクをファッションアイテムとしても愛用?
ちなみに、イギリス王室のキャサリン皇太子妃は「アマイア(Amaia Kids)」というブランドのリバティプリントの布製マスクを愛用していました。ファッションとマスクのコーディネートが行き届いているので、専属のスタイリストがマスクもファッションの一部として用意したのでしょう。ベルギー王室のマティルド王妃、モナコ公国のシャルレーヌ公妃なども、布製のマスクを愛用していました。
一方、皇后陛下雅子さま、スペイン王室のレティシア王妃、デンマーク王室のメアリー皇太子妃などは、不織布マスクをつけた姿が確認されています。雅子さまは白ですが、レティシア王妃やメアリー皇太子妃は青が多かったようです。
葬儀のマスクは黒が正解?
2021年4月17日のフィリップ王配の葬儀では、エリザベス女王など全員が黒いマスクをつけました。2020年6月17日、モナコ公国でアルベール2世大公の従姉にあたるエリザベート=アンヌの葬儀が行われた際は、黒いマスクが多かったものの、白や青のマスクも見られました。欧州の葬儀でマスクをつけるとしたら、黒が望ましいのだろうと思いますが、新型コロナウイルスが収束するにつれて、マスクをつける習慣は過去のものとなりつつあるようです。日本の葬儀におけるマスクの色は、おそらく大多数は白で、黒をつける人もいるという状況になるだろうと思います。9月27日に執り行われる安倍晋三・元首相の国葬が参考になるのではないでしょうか。
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