あるバラエティ番組にて、「手元の白いタオルを褒めてみてください」という共演者からの“振り”に対し、タレントのアンミカさんが「白って200色あんねん」とジョーク交じりに発言したことから、同フレーズがSNSで話題になりました。アンミカさんのように、キャッチーなコメントで受け答えができたら最高ですよね。

ところで、本当に白は200種類もあるのでしょうか? 結論から申し上げると、白には200種類を超えるバリエーションがあります。その理由は、以下の通りです。
 

RGB(赤・緑・青)の組み合わせで、約1677万通りの色を表現できる

画像上部:左から赤、緑、青/画像下部:左からイエロー、シアン、マゼンタ


パソコンやスマホのモニターは、RGB(赤・緑・青)の3色の組み合わせで色を表現しています。原色1つにつき、1から255までの256段階で濃さを設定できるので、256の3乗の1677万7216通りの色を表現することができるのです。

たとえば、RGB:255, 0, 0にすると赤、RGBを0, 255, 0にすると緑、RGBを0, 0, 255にすると青になります。また、RGB:255, 255, 0にするとイエロー、RGB:0, 255, 255にするとシアン、RGB:255, 0, 255にするとマゼンタになります。

白・黒・グレーのバリエーション


無彩色は、RGB:255, 255, 255にすると白、RGB:0, 0, 0にすると黒、その中間がグレーになるわけですが、白とグレーの境目はあいまい白とグレーの境目をRGB:245, 245, 245とすると、10の3乗の1000通りの白を作ることができるのです。

真っ白と白っぽい色


ところで、人は微妙な色の違いを見分けることはできるのでしょうか?
 

色の違いを識別する能力は「色への関心度」によっても変わる!?

目を閉じると、私たちは色を見ることができません。なぜなら、色は、人が見ることによって存在するからです。また、目を開いていても、真っ暗闇では、色を見ることはできません。私たちは、人間の目が知覚する光(電磁波)を色として認識します。色を見るためには、目と光が必要なのです。

人の視覚には諸説ありますが、人が見分けることのできる色の数はおよそ1000万と言われています。色は連続しているので、数えられる性質のものではありません。2つの色を並べたとき、違いが分かるかどうかを調べた結果から推計して、1000万という数字が導き出されました。パソコンやスマホでは、1677万もの色を作ることができますが、人には見分けることができない色もあります。
「桜色」と「桃色」の違いを重視する人もいれば、どちらも「ピンク」と捉える人もいる

このように、色の違いを識別する能力は、実験を通して導き出されるものもありますが、その人の意識によっても違ってきます。たとえば、日常的にたくさんの色に接する人は、色の違いに敏感です。「桜色」と「桃色」を異なる色と捉える人もいれば、どちらもよく似ているので、どちらの色も「ピンク」と捉える人もいます。色に関心がない人は、色の微妙な違いに無頓着です。
 

人が識別できる色は1000万でも、美しさを考慮すれば「2000色」程度

カラーコンサルタントやデザイナーなど、色を専門的に扱う人たちは、色見本帳を利用することがあります。色見本帳には、多数の色見本が系統的に配列されており、たとえば「もう少し明るい色にしよう」「この色の補色を探そう」といったときに、非常に使い勝手が良いのです。

色見本帳は、隣り合う色見本どうしが滑らかに連続して見えるように作られています。つまり、隣り合う色どうしの差を、見た目に等しくなるように調整しているのです。そのため、色見本帳には、1500~2000色程度の色見本が収められています。人が識別できる色は1000万もあるのに、使い勝手や見た目の美しさを考慮すると、色数を絞る必要があるのです。

たとえば、Pantone(パントン)の印刷・グラフィック用の色見本帳には、2161色が収録されています。2019年9月に追加された新色294色には、ブラック、グレー、ベージュ、タン、ブルー、オリーブのニュートラルで微妙な色合いが含まれており、市場の需要とトレンドを捉えた色合いで構成されています。
 

「白」「しろ」「SHIRO」など、色名によって印象は異なる

JIS慣用色名(上段)とPantoneの色見本帳(下段)

色見本帳には、RGBなどのデータとともに、色名がつけられています。上段はJIS慣用色名、下段はPantoneの色見本帳から、白系の色名を抜粋しました。

慣用色名は、色名として成立してから、それなりの年月を経て文化に定着しているものを指します。「生成色(きなりいろ)」はファッションでもよく用いられる色名で、フランス語で「Ecru(エクリュ)」と呼ばれることもあります。「胡粉色(ごふんいろ)」や「象牙色(ぞうげいろ)」は一般的に用いられる色名ではないので、伝統色と呼んだ方がしっくりくるかもしれません。

Pantoneの色名にも、慣用色名が用いられることがありますが、新しい色名が多数収録されています。「ココナッツミルク」や「ホワイトサンド(白砂)」などを、色名として用いるケースもありますが、「ブリリアントホワイト(さんぜんと輝く白)」のように、形容詞と色名を組み合わせたものも。どちらのタイプも、好ましいイメージが広がるような色名が採用されています。

商品につけられる色名にも、創意工夫が見られます。たとえば、「ホワイトオパール」は、柔らかで優しいゆらめきのような輝きを、「ホワイトルーセント」は、透けるような白を連想させるのではないでしょうか。漢字の「白」を、ひらがなの「しろ」にすると、柔らかく親しみやすいイメージになり、ローマ字の「SHIRO」にすると、個性的でやや気難しいムードが感じられます。「Branc(ブラン)」「Bianco(ビアンコ)」というように、白をフランス語やイタリア語にするだけでも、ぐっとおしゃれな印象になります。

このように、色名は、心の中に広がる色の世界をより一層美しくしてくれます。色名は色の見方を私たちに教えてくれるのです。


松本英恵プロフィール
東商カラーコーディネーター検定1級、文部科学省認定色彩検定1級取得。パーソナルカラー、カラーマーケティング、色彩心理、カラーセラピー、ラッキーカラー(色占い)などの知見を活用し、カラーコンサルティングを行う。


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