
少し難しい文章のときに出てくる「事由」。
例文としては、「経済事情の変化や○○の事由等があげられる。」など、何かの事実について語られるときに出てくる言葉です。
これは、「じゆ」と読むの? 「じゆう」と読むの? と混乱してしまう人も多いのではないでしょうか。この記事では「事由」について解説します。
<目次>
・「事由」の意味とは?
・「事由」の正しい読み方は「じゆう」
・「事由」と「理由」の違いは?
・「由」の読み方:「ゆう」「ゆ」「ゆい」
「事由」の意味とは?
事由とは、理由や原因となる事実のことをいいます。人のことなのか、物のことなのかは問いません。
例えば、解散の事由。これは、なぜ解散したのかの理由となります。給付金の給付事由だと、なぜ給付金を給付したのかの理由となります。
法律やビジネスで使われることが多く、法律の辞書である六法全書にもその意味が載っています。
事由とは、実際にあった事柄の意。法令上は、一定の法律効果を生ずる原因となる事物の関係。また、民事訴訟、刑事訴訟において、法律適用の前提ないし対象となる事件の内容たる実体関係をいう。しばしば、証拠によって顕出、構築され、実体的真実から抽象された訴訟上の観念を事実と称することがある。
『有斐閣 法律用語辞典 第4版』(有斐閣)
「事由」の正しい読み方は「じゆう」
「事由」の読み方は、「じゆう」となります。この由という漢字は「ゆ」とも呼ばれるので、間違いやすいのですが、事という漢字との組み合わせのときには、事由(じゆう)と読みます。
自由の「ゆう」や、理由の「ゆう」のような使い方と同様です。事由の意味と似た、理由を「りゆう」と読みますので、「じゆう」と読ませることに納得がいくかもしれませんね。
「事由」と「理由」の違いは?
「理由と事由は同じなの?」と思われるかもしれませんが、理由の意味の中に事由が含まれるという関係性になります。
理由はそうなった根拠、事由はそうなった原因や事実のことをいいます。
「由」の読み方:「ゆう」「ゆ」「ゆい」
「由」という漢字は、経由を「けいゆ」と読みますし、因由も「いんゆ」と読みますので迷うことがあるかもしれません。もし迷ったら、理由の意味の中に含まれる言葉が事由だから「ゆう」と読ませるんだと理解すれば良いかもしれません。
ちなみに「由」が言葉の頭につくときは由緒「ゆいしょ」など「ゆい」と読ませることが多いです。
このように、漢字は言葉によって読み方が変わってきます。間違った読み方をしないように整理しておきましょう。
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■執筆者プロフィール

兵庫県出身。武庫川女子大学を卒業後、ケーブルネット鈴鹿に入社。退社後は、静岡FM、FM栃木で情報番組やニュースを担当。これまでの出演経歴は、『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)『有吉反省会』(日本テレビ系)『有吉ジャポン』(TBS系)『ナカイの窓』(日本テレビ系)『Abema prime NEWS』(AbemaTV)など。現在は、『横浜ユーポスラジオ』(ラジオ日本)『渋谷いききくらぶ』(渋谷のラジオ)などの情報番組を担当しています。