アラサーが考える恋愛とお金 第10回

ディズニーデートは踏み絵? 料金&待ち時間で浮き彫りになる恋人の価値観【アラサーが考える恋愛とお金】

ディズニーリゾートいえば、デートスポットの大定番。しかし、ここ数年で値上げしたチケット料金、長い待ち時間などをきっかけに、相手との金銭感覚や相性などが浮き彫りになる場所でもある。「ディズニーデート」は恋人たちの“踏み絵”になり得るのだろうか。※画像出典:©Disney/オリエンタルランド プレスリリース 


デートや婚活、結婚式……恋愛や結婚にはお金がかかる。特に現代社会においては、働き方や生き方の多様化が進み、恋愛とお金に対する価値観も変容している。本連載では、これからの「恋愛とお金」について、アラサーの恋愛ライター・毒島サチコが取材をもとに考察。第10回は「ディズニーデート」について紹介する(第9回はこちら)。
 

“恋人の聖地”ディズニーリゾート。でも「チケット代が高い」は約7割

ディズニーリゾートといえば、王道のデートスポット。プロポーズする場所としても、人気が高い。
 
そんな“恋人の聖地”であるディズニーリゾートだが、2021年10月1日からチケット料金が改訂され、チケット価格は7900〜9400円(税込)に値上げされた。これは、最大700円の値上げとなる。
 
この値上げに伴い、All About編集部は、全国の10〜60代の男女500人を対象に、「ディズニーリゾートの料金や待ち時間」についての独自アンケートを実施。その結果、「高いと思う」と回答した人は68.0%で全体の約7割を占めた。
 

チケットが高いと感じるかは相手次第? 「うんちく男」と100分待ち地獄

さて、このディズニーチケット料金(税込7900〜9400円)について、皆さんはどう思うだろうか?
 
「ディズニーが高いと感じるかどうかって、ぶっちゃけ一緒に行く相手次第」
 
こう話すのは、筆者友人の夏美さん(29歳)だ。彼女は大のディズニー好きである。
 
「昔、良い感じだった男性とディズニーデートに行ったんだけど、繁忙期で、『トイ・ストーリー・マニア!』が100分待ち。待ち時間に『好きなお酒の話』をしたら……彼、ずーっとウイスキーのうんちく話をして。スコットランドの蒸溜所がなんだとか……延々と100分。高いチケット代払ってこれはきつい……」
 
その後、夏美さんはアトラクションの待ち時間のたびに彼の“ウイスキーうんちく”を聞き、うんざりしてしまったのだという。一方、現在の夫とのディズニーデートは「楽しめる」と語る。
 
「今の旦那とディズニーに行ったときも繁忙期で。アトラクションは数個しか乗れなかったけど、“チケット代が高い”と感じたことは一度もない。待ち時間もお互いの話をしたり、ゲームをしたりして楽しかった。旦那と結婚しようと思ったのは、混雑していたディズニーでも楽しめたからかも。待ち時間を楽しめるかどうかってすごく大事」
 

“わりに合わない”料金設定に苦言。そもそも「元が取れない派」の声

夏美さんのように、パートナーとの価値観や相性の見極めの指標として、「ディズニーの待ち時間を楽しめるかどうか」を挙げる女性は多い。アトラクションに乗っているときではなく、“待ち時間”こそがディズニーの醍醐味(だいごみ)だという声もある。
 
しかし、一方で「待ち時間のわりにチケット代が高い」という意見もある。
 
前述の調査の中では、「平日料金の7900円だったら、まだそこまで高いとは感じません。祝日やイベントで混み合う期間の9400円は乗り物に乗れない可能性もあるのに高い(35歳女性/埼玉県)」と回答する人も。
 
ディズニーリゾートは変動価格制を導入しており、繁忙期のチケット代は9400円(税込)。「高いのに、アトラクションの待ち時間は長い」という現状が生まれている。夏美さんのようにチケット代が高いと感じるかどうかは「行く相手による」と考える人がいる一方で、そもそも混雑しているときにチケット代が高いと「元が取れないのではないか」と感じる人もいるようだ。
 

120分の待ち時間に耐えられるか問題。価値観の事前確認を忘れずに

先日筆者は、ディズニーシーを訪れた。平日かつ繁忙期でなかったこともあり、パーク内は空いていた。人気の『ソアリン:ファンタスティック・フライト』の待ち時間も30分程度。最初は「ラッキー!」とさまざまなアトラクションに乗ったのだが……。
 
緊急事態宣言明けで、まだまだ新型コロナウイルスの警戒中だったパーク内は、ビールやターキーレッグなどの販売店が一部休止し、夜になると街灯が減って、ショーは中止。ゴーストタウン化している箇所もちらほらあった。空いていたおかげで主要アトラクションは全て乗ることができたが、個人的には “夢の国”を感じられず、寂しく感じた。
 
どうやら筆者にとって、ディズニーはアトラクションよりも“観客を含めたパークそのものの雰囲気”を楽しむ場所だったようだ。
 
しかし、この話を友人にすると「え、全アトラクション乗れて最高じゃん!」と言われた。友人は、たとえ待ち時間が長かろうが、ショーが始まろうが「好きなアトラクションには絶対乗る」主義だ。「120分待ちでも?」という筆者の問いかけに、友人は「もちろん。アトラクション乗らないなんてチケット代がもったいない」と即答。
 
「いくら乗りたくても、120分待つのは絶対嫌だ」と言う筆者を横目に、「うちらがカップルだったら、ディズニーデートで別れそう(笑)」と友人。
 
ディズニーデートは、相手の価値観や相性を知るタイミングがたくさんある。待ち時間はどのくらいまで平気か、チケット代を高いと思うか。そう考えると、 ディズニーリゾートは“付き合う前”にこそ、おすすめのデートコースといえるかもしれない。


※回答者のコメントは原文ママです


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