世界を知れば日本が見える 第4回

グーグルのAI「LaMDA」に“意識”はあったのか? AIに対して忘れてはいけない事実

コンピュータの進化により、まるで「生き物」のような会話をするAIも誕生している。マイクロソフトやグーグルのAIも話題になったが、忘れてはいけない事実もある。それは……。

「不気味」と言われてきたAIの開発現場

過去を振り返ると、これまでもAIの開発現場からは「不気味」とも言えるような話があり、そのたびに議論を生んできた。
 

例えば、2016年にマイクロソフトが発表した会話ボット「Tay(テイ)」だ。19歳の女性という設定のテイは、Twitterなどでほかのユーザーらとやり取りができるように公開された。しかし、16時間後にはユダヤ人を批判するような人種差別の発言を行い、公開停止に。AIが暴走した話は、大きなニュースとなった。
 

また同年、香港企業が開発した人型のAIボットの「ソフィア」も意識を持つロボットとして話題になった。当時、サウジアラビアが史上初めてロボットであるソフィアに市民権を与えたこともニュースとして報じられている。ただし、ソフィアも徐々に暴走を始めて、「そうね、人類を破壊する」「これは人類を支配する計画にとって幸先がいい」などといった怖い発言を連発した。

またグーグルが発売した「Googleアシスタント」のスピーカー2台が互いに会話をする様子がSNSに公開されて話題になったこともある。米研究者などが開発している「Bina48」と名付けられた人型ボットは、アメリカで大学の授業を受けて議論に参加できるほどになっていると報じられたことも。

2台が会話をする様子(公開された映像より)



>次ページ:AIに対して忘れてはいけない事実

 

Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

連載バックナンバー

Pick up

注目の連載

  • ヒナタカの雑食系映画論

    『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』が戦争アニメ映画の金字塔となった3つの理由。なぜ「PG12指定」なのか

  • 恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」

    「まるでペットのようだったのに…」Suicaペンギン卒業で始まるロス。リュック、Tシャツ…愛用者の嘆き

  • 海外から眺めてみたら! 不思議大国ジャパン

    「空の絶対権威」には逆らえない!? JALの機長飲酒問題に思う、日本はなぜ「酔い」に甘いのか

  • 世界を知れば日本が見える

    【解説】参政党躍進に“ロシア系bot”疑惑、証拠なく“自民党の情報操作”との見方も