え、郵便貯金が消えてしまう!? 満期から20年2カ月過ぎると権利消滅に……

ゆうちょ銀行に預けているお金が、もしかしたら消えてしまうかもしれません。ポイントは預けたのが郵政民営化の前か後かです。

郵便貯金が消えてしまう!?

ゆうちょ銀行にお金を預けている人も多いと思いますが、もしかしたら、大切なお金が消えてしまうかもしれません。貯金者が払い戻す権利を失った金額は、2021年度はなんと457億円。ポイントは預けたのが郵政民営化の前か後かです。
 

郵便貯金を払い戻す権利は永遠にあるわけではない

郵便貯金がある人は要注意!

郵便貯金は自分が預けたお金なので、払い戻すのも好きなタイミングで自由にできると思ってしまいますよね。
 

でも郵政民営化(2007年9月30日)までに預けた定額郵便貯金、定期郵便貯金、積立郵便貯金、住宅積立郵便貯金、教育積立郵便貯金などで満期を迎えたものに関しては、満期日から20年間払戻などの取り扱いがないと「権利消滅のご案内(催告書)」が送られてきます。そして、送付日から2カ月たっても払戻しがない場合には、当該貯金を払い戻す権利が消滅します。
 

これは「旧郵便貯金法第29条」で決められています。ちなみに、郵政民営化前に預けた定額郵便貯金などは、全て満期を迎えています。

参考:総務省「郵便貯金の権利消滅に関するお知らせ
 

独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構によると、払戻しの権利を失ってしまった郵便貯金が、2021年度は457億円もあったとのことです。2018年度は85億円、2019年度は64億円、2020年度は369億円、そして2021年度は457億円ですから、年々金額が増えていることが分かります。
 

「通常郵便貯金」や「通常貯蓄預金」は権利消滅の対象外

通常郵便貯金や通常貯蓄預金は権利消滅の対象外

払戻しの権利が消滅してしまうのは、定額郵便貯金、定期郵便貯金、積立郵便貯金、住宅積立郵便貯金、教育積立郵便貯金などです。通常郵便貯金、通常貯蓄貯金は対象外となっているので、もし郵政民営化前に預けたとしても問題ありません。これは郵政民営化の時に、ゆうちょ銀行に継承されているためです。
 

郵政民営化の後に預けた貯金は権利消滅はない

郵政民営化後に預けた貯金に関しては、旧郵便貯金法の規定が適応されません。そのため権利の消滅もありません。
 

大切な貯金の払戻しができなくなってしまっては、預けた意味がなくなってしまいます。郵政民営化の前に預けた定額郵便貯金、定期郵便貯金、積立郵便貯金、住宅積立郵便貯金、教育積立郵便貯金などは要注意です。もし心当たりがあるならば、確認をしておきましょう。分からないことがあれば、近くのゆうちょ銀行の窓口に相談すると安心ですね。


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【関連リンク】
郵便貯金の権利消滅等に関するQ&A(独立行政法人 郵便貯金 簡易生命保険管理 ・ 郵便局ネットワーク支援機構)
 

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