8月2日は、おやつの日! 日付が「お・や(8)・つ(2)」と読めることにちなんで、日本おやつ協会が制定しました。
今回は、おやつはなぜ3時なのかなど、「違いの分かる人」になれるおやつ用語をご紹介します!
「おやつ」の語源は?
おやつとは、間食全般のことを示す場合もありますが、そもそもは昼食と夕食の間に食べる間食のこと。その語源は、明治5年まで使われていた「十二時辰」に由来します。
十二時辰とは、夜明け・日暮れを境にして昼と夜を分け、それぞれ6等分して、区切った時刻に十二支を当てはめたもの。今でいう23時~1時までが「子の刻」、そのちょうど中間の0時が「子の正刻」。各時間帯の正刻のタイミングで、町の人に知らせる鐘を鳴らしていました。
鐘を鳴らす数は、0時に9回、2時に8回、4時に7回と減っていきます。9回からはじまるのは、陰陽道において奇数、特に9が縁起がいいとされていたからです。
なので、本来は9の倍数、9回、18回、27回と鳴らしたい! でも夜中にそんな鳴らせない……! そこで、10の位を省略して、9回、8回、7回と鳴らすことにしたそうです。
そして、昼の12時(午の正刻=正午)はまた9回に戻り、14時に8回、16時に7回と繰り返します。
昼に鐘が8回鳴らされる「八つ時」、今でいう14時ごろに食べていた間食のことを「おやつ(御八つ)」と呼ぶようになったのが、おやつの語源とされています。
なぜ「3時のおやつ」なのか?
上述のとおり、おやつの語源である「八つ時」は、今でいう14時ごろ。江戸時代の中期までは一日二食だったため、当時のおやつは朝食と夕食の間。14時ごろがちょうど良いタイミングでした。
それが江戸の後期以降は一日三食になり、おやつは昼食と夕食の間に。そのため、食べる時間が後ろにずれて15時ごろになったようです。
明治5年に現在の定時法となった際、おやつを言いかえた「御三時(おさんじ)」という言葉も生まれました。おやつに取って代わるほどは広まらなかったようですが、当時から「3時のおやつ」が定着していたことがわかります。
ちなみに、日本以外の国の「おやつの時間」はそれぞれ違います。たとえばフランスのおやつは「グテ」と呼ばれ、16時が一般的。
また、昼食を取る時間が遅いスペインにおいては、「メリランダ」と呼ばれるおやつは18時ごろが多いようです。
「snack」と「スナック」の違い
おやつの英訳はsnackですが、日本語のスナックと微妙に意味が違います。snackは「軽食」という意味なので、おやつと言われて頭に浮かぶようなチョコレートやクッキーなどのお菓子だけでなく、果物やサラダなども該当します。
一方、日本語のスナックは、JAS法での定義はないものの、製菓業界での区分としては軽食代わりになるしょっぱいお菓子、特にポテトチップスなどの炭水化物を油で揚げたものを指します。チョコレートやクッキーを「スナック菓子」と呼ぶことはありません。
ちなみに、カウンター付きの飲食店を指す場合の「スナック」は、英語のsnack barの略。軽食を出すバーというのが名前の由来です。
せっかくのおやつの日。3時のおやつに、ぜひお気に入りのおやつを食べてみてはいかがでしょうか。
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