洗濯機はドラム式と縦型、結局どっちがいいの? 家電のプロに聞いてみた【8月1日は洗濯機の日】

洗濯機を買う際にたびたび議論になる「ドラム式洗濯機」と「縦型洗濯機」の比較。結局のところ、どのような違いがあるのでしょうか。特徴や選び方をAll About家電ガイドの安蔵靖志さんに教えてもらいました。

8月1日は「洗濯機の日」。洗濯機が水を使う家電であることから、8月1日の「水の日」にちなんで制定されました。水の日は水資源の有限性、水の貴重さおよび水資源開発の重要性について国民の関心を高め、理解を深めるために制定された日本の記念日です。
 

今回は「洗濯機」を購入するときに迷う人が多いであろう「ドラム式洗濯乾燥機」(以下、ドラム式洗濯機)と「縦型全自動洗濯機」(以下、縦型洗濯機)について、結局のところ、どのような違いがあるのか、各洗濯機のメリット/デメリットや選び方のポイントをAll About家電ガイドの安蔵靖志さんに教えてもらいました。

ドラム式と縦型、どっちが良い?​​​​​​

 

ドラム式と縦型、結局はどっちがいいの?

安蔵さん:ドラム式と縦型の違いを簡単に紹介しましょう。
 

ドラム式洗濯機は、洗濯槽が横または斜めに配置された洗濯機のことです。ドラムが縦回転することで、衣類を上から下に落としながら少量の水を使って「たたき洗い」をする方式です。少量の水で洗濯するため節水性が高いだけでなく、洗剤の濃度が高くなることで皮脂汚れに強いのも特徴です。ただし使用する水が少ないため、衣類から出た汚れがほかの衣類に付いてしまう「汚れ移り」がしやすいデメリットがあります。
 

乾燥機能を搭載する機種の場合、衣類を縦に回転させながら風を当てることでスムーズに衣類を乾かすことができます。ドラム式の乾燥機能は省エネ性の高い「ヒートポンプ式」が中心で、「ヒーター式」のような熱風ではなく60℃程度の温風で乾かすことで衣類の傷みや縮みが少ないのが特徴です。
 

縦型洗濯機は、洗濯槽が縦に配置された洗濯機のことです。洗濯槽が横回転し、たっぷりの水を使って衣類を「もみ洗い」するのが特徴です。洗濯物同士をこすり合わせて汚れを落とすため、泥などの固形汚れに強いものの、衣類がからまりやすく、ドラム式に比べて傷みやすいデメリットがあります。
 

縦型にも乾燥機能を搭載する機種はありますが、消費電力が高く(省エネ性が低く)て熱風で乾かす「ヒーター式」しかありません。また、衣類が横回転しかしないため風が当たりにくく、乾燥時間がかなりかかってしまうというデメリットもあります。
 

では、縦型とドラム式、どちらを選ぶのがいいのでしょうか。選び方のポイントは以下の通りです。
 
・洗濯物の量(家族の人数)
・家族の構成
・乾燥機能が必要かどうか
・設置スペース
 

家族の人数が多い場合はドラム式がおすすめ

安蔵さん:洗濯物の量は1人あたり1.5kgが目安と言われています。家族3人なら4.5kg、4人なら6kgです。毎日洗濯するのであれば4人家族で洗濯容量6kgもあれば十分ですが、週末などにまとめて洗濯するのであればなるべく洗濯容量の大きいものを選ぶ必要があります。
 

最近では縦型も大容量モデルが増えていますが、ドラム式は10kgや11kgといった大容量モデルが多いため、家族の人数が多い、もしくはまとめ洗いしたい場合はドラム式がおすすめです。
 

子どもがいて泥汚れが多い場合は縦型がおすすめ

安蔵さん:小さな子どもがいる家庭や、中高生の子どもがスポーツをしていて泥汚れが多い場合などは、たっぷりの水でもみ洗いすることで泥汚れに強い縦型がおすすめです。逆に大人ばかりの家庭の場合、皮脂汚れに強いドラム式がおすすめです。
 

乾燥機能が必要な場合はドラム式で決まり

安蔵さん:基本的に天日干しをしてカラッと乾燥させたいという人なら縦型で結構ですが、日常的に乾燥機能を使いたい場合はドラム式で決まりです。縦型にも乾燥機能付きはありますが、ヒーター式のため衣類の傷みや縮みが起こりやすく、電気代もかかるためおすすめできません。日常的に使用したい場合はヒーター式ではなく、「ヒートポンプ式」(もしくは日立グローバルライフソリューションズ独自の「ヒートリサイクル方式」)を採用するドラム式がおすすめです。
 

ドラム式は比較的広い設置スペースが必要になるので注意

安蔵さん:基本的にドラム式は洗濯容量が10kgを超える大容量モデルがほとんどで、縦型に比べて広い設置スペースが必要になります。また、ドラム式はドアが手前に開くため、手前に広いスペースがないと衣類の出し入れがしにくくなります。ドラム式を選ぶ場合は、設置スペースと作業スペースが十分あるかどうかをしっかり事前に確認することをおすすめします。


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