今が旬の桃の収穫を体験!
日照時間が長く、温暖な気候に恵まれた岡山県を代表する名産といえば、やはり桃! 県の花であり、桃太郎伝説発祥の地でもあります。桃のシーズンは6月下旬から9月上旬くらいまでの夏。岡山の桃はいわゆるピンクというよりも、優しいクリーム色をベースにうっすらピンクがかった美肌な白桃タイプ。ふっくら柔らかく、みずみずしくジューシーであまーい桃です。代表的な品種は「清水白桃」で、他には「日川白鳳」「おかやま夢白桃」「白麗」等、時期によって様々な品種を楽しめます。
岡山県内には桃狩りができる観光農園も数カ所あります。2日目の最初に訪問した「桃茂実苑(ともみえん)」では、生産者さんからこだわりや美味しい食べ方などの話を聞きながら桃狩り体験ができ、収穫した桃はお土産に。もちろん桃の試食もあります。バスやタクシーでアクセスできるツアーや、夜の桃狩り体験なんていうユニークなツアーも(いずれも要予約)。直売所では採れたての桃が販売されています。
生産者さんから桃のおいしい食べ方をお聞きしました。持ち帰った桃は2、3日直射日光の当たらない部屋で常温保存すること。すぐ冷蔵庫に入れてしまうと甘みが薄くなってしまうので、常温が鉄則だそう。桃独特の甘い香りが立ってきたら食べ頃です。食べる30分前くらいに冷蔵庫で冷やすか、氷水の中に入れて冷やすのもおすすめとのこと。切り方は、種の周りまで横に360°ナイフを入れて、ぐるっと手で回すと、綺麗に半分ずつに割れます。ちょうどよく熟した桃は、手で皮がスーッと剥けて気持ちいい! 旬の桃をおいしくいただきました。
マスキングテープアートを巡って瀬戸内、牛窓、犬島へ
マスキングテープとは、もともと工事現場などで養生に使っていた、貼ったり剥がしたりが容易にできる業務用の紙テープ。それをカラフルなデザインでオシャレに変身させたことで、ラッピングやステーショナリーとして誰でも楽しく使えるようになりました。
そのユニークなマスキングテープを最初に開発したのが、岡山県にある「カモ井加工紙」という会社なのです。2007年に「mt」というブランドを立ち上げて販売を開始し、瞬く間に世界中に広まりました。テープの種類も果てしなく増え、インテリア用に壁や床にも使える大判なタイプも登場。また、mtを使ったアートプロジェクトも始動しました。
日本の全国各地はおろか世界でも開催されているmtアートイベントですが、今回は夏の岡山を大々的にデコレーション! 瀬戸内市牛窓を中心に各地の魅力的な建造物をmtで彩り、あっと驚くアートの展示を行なっています。ちょうど瀬戸内国際芸術祭も始まるので(夏季は8月5日〜9月4日)、併せて訪ねてみるのもおすすめ。代表的なスポットを巡って来たのでここでチラリとご紹介します。
最初に訪ねたのは「瀬戸内市立美術館」。アーチの窓が印象的な可愛らしい建物です。オリーブの画家と呼ばれた佐竹徳の油彩画を中心に、瀬戸内市ゆかりの作家の作品を収蔵しています。建物4階まで上がると、瀬戸内海が一望できて、眺めも抜群。ここでは、海と瀬戸内の島々を思わせるような清々しいデザインのmtで建物や室内をデコレーション。
実はmtスポット各所で全部違うオリジナルmtが使われています。もちろん同じデザインのテープを買うことも可能で、それぞれのデザインはそのスポットでしか買えません。
展示内容も大変興味深く面白かったのですが、紹介したい作品がありすぎるのを堪えて、一つだけご紹介。実はマスキングテープの素材は主に和紙。こちらは、その半透明に透けるという特性を生かして、様々な形の植物の葉っぱを貼り付けて、影絵のように浮き上がらせたアートです。瀬戸内の清々しい自然の風景が感じられて、とても素敵な展示でした。
次にやってきたのは「牛窓オリーブ園」の展望台。こちらはオリーブの実をイメージしてmtがデザインされています。
ここからの眺めはオリーブ畑と瀬戸内の海、島々がぐるっと広く見渡せる絶景の大パノラマ。ぜひ訪ねて欲しい場所です。展望台2階にあるカフェのコーヒーもとてもおいしいのでおすすめ。
牛窓オリーブ園の敷地内にある、通称「赤屋根」と呼ばれる平屋の建物は、かつて画家の佐竹徳がアトリエに使っていたそうで、ここからの眺めも美しく趣があります。現在はギャラリーとして使われているこの建物もmtでデコレーションし、ショップが展開中。展望台と色を少し変えたデザインも粋です。
高台から移動して、牛窓の海沿いの町へ。大正4年に牛窓銀行本店として建てられた国登録有形文化財「街角ミュゼ牛窓文化館」の館内もオリジナルmtで彩られ、ショップを展開。この辺りは味のある古い街並みが残っているので、散策するのも楽しいです。道中にはおいしいパン屋さんもありますよ。
こちらはヨットレースやヨット教室も行われているという「牛窓ヨットハーバー」。まるで空中に浮かぶヨットのような、不思議なフォルムが特徴的な建物です。「ポストモダンの旗手」と呼ばれ、特に直島で多くの公共施設を手がけた建築家・石井和紘の設計。映画のロケ地になったこともあるそうです。
さて、mtアート巡りのクライマックスは岡山市犬島。mtでラッピングされた可愛い船に乗ってやってきました。堤防をはじめ、島の各所にmtデコレーションがあるのですが、白い壁の空き家を使ったインスタレーションは必見。船着場から2、3分歩いたところの、このカラフルなブロック塀が目印です。
中を一部チラ見せするとこんな感じ。森のように林立しているこれはもしや、mtを製造するときに出る「ヘタ」の部分では! mtは長ーい1本のロールを裁断して作られるのですが、はしっこは糊や模様が付いていない箇所があるため、通常は捨てられてしまうのです。その廃材を救出して不思議なアートに蘇らせている!! この森の中に身を置くことで、いつもは捨てていた、忘れ去られていた何かを思い出し、今までにない斬新なインスピレーションが生まれるかもしれません。
ちなみに犬島には他にも「犬島精錬所美術館」や「家プロジェクト」など、瀬戸内国際芸術祭とも連動した様々なアートスポットがあり、どれも見逃せません。1日いても楽しめる島です。
※「mt project」は8月31日まで。期間内は牛窓の4会場で便利な無料巡回バスが運行し、レンタサイクルもあり。スタンプラリーで各会場を巡るとオリジナルマスキングテープがGETできます。
子供の頃の夢に浸れる、日本一のだがし売場
最後に訪ねたのはこちら。瀬戸内市内を車で走っていると、田んぼの真ん中に倉庫のような巨大な建物が!! 「日本一のだがし売場」って一体……!?
ここは子供も大人も楽しめる、「駄菓子のテーマパーク」。いざ中に入ってみると、その物量の多さに圧倒されます。子供時代にチマチマと買っていた懐かしいあのお菓子をどさっと袋で大人買いすることもできるし、岡山県産のお土産菓子を並べたコーナーもあります。子供達が買い物体験できるよう、小分けのお菓子を細々と並べた一角があるかと思えば、大人のための珍味コーナーもあり、とにかく盛りだくさん。あまりに広い店内のためにマップも用意されています。これはどうしても入り浸ってしまう。家族連れ、友達同士、子供達もたくさん来ていました。運が良ければ入り口で、愉快なちんどん屋に扮した社長に出会えることもあります。
まるでタイプの違う様々な岡山の魅力スポットを一気に巡り、とても一言では言い表せない場所だということがよく分かりました。文字数がいくらあっても足りない……。
岡山県はこの夏、大型観光キャンペーン「岡山デスティネーションキャンペーン」を実施中(7月1日~9月30日)。様々なイベントが開催されていますので、「岡山観光WEB」も併せてご覧ください! ……と宣伝っぽく書きましたが、お世辞抜きに岡山って本当に良いところなんですよ。今回は海側中心でしたが、山側にも温泉や牧場や美術館やワイナリーなど、まだまだ魅力的なスポットがたくさんあります。次は山側をじっくり回ってみたいので、また新たな旅の計画を立てようと思います。
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