2022年4月10日、ロッテの佐々木朗希投手が28年ぶりに完全試合を達成! 普段プロ野球を観ていない人たちからも注目が集まっています。
そこで今回は、ノーヒットノーランと完全試合の違いなど、野球ファンには当たり前のことですが、ちょっとだけ難しい野球用語をご紹介します。
「ノーヒットノーラン」と「完全試合」の違い
「完全試合」と並んでよく話題になる「ノーヒットノーラン」ですが、何が違うのかご存知でしょうか。
ノーヒットノーランの「ラン」とは、野球用語で得点のこと。ベースを一巡してホームまで走りきると得点になることから来ており、スコアボードの表示も「R」になっています。
なので、ノーヒットノーランは直訳すると無安打無得点。ピッチャーが相手チームにヒットも得点も許さずに勝つことを意味します。
一方、完全試合とは、無安打無得点かつ走者も出さずに勝つこと。フォアボールやデッドボール、エラーなどでランナーを出してしまうと完全試合ではなくなります。
なお、どちらの場合も勝つことが前提なので、0対0で引き分けの場合は参考記録扱いになります。やはり投手の活躍には、味方打者の援護が不可欠ということですね。
「2塁打」と「エンタイトルツーベース」の違い
エンタイトルツーベースとは、entitled two-base hit の略で、規定により打者・走者に2つ先の塁へ進む権利を与えること。
最も多いケースは、打球がフェアグランドでバウンドして、フェンスを越えてスタンドに入ってしまった場合。フェンスに入らなければ3塁打になっていたような場合でも2塁に戻されます。
珍しい例としては、フェンスとフェンスの間に打球がハマってしまった、といった場合にも適応されます。
また、ペナルティとしてのエンタイトルツーベースもあります。比較的多いのは、アウトカウントを勘違いして、スリーアウトではないのに捕球した球をスタンドのファンへ投げてしまったケース。
ただの凡フライが2塁打になるわけですから、普通のエラーよりも気まずいですね……!
「フライ」と「インフィールドフライ」の違い
よく起こる割に分かりづらい野球用語といえば「インフィールドフライ」でしょう。
ノーアウトまたはワンアウト、ランナーが1・2塁もしくは満塁の状況で内野フライが上がったとき、容易に取れると審判が判断した場合に「インフィールドフライ」が宣告されます。
宣告された時点で、そのフライを取っても落としてもバッターはアウトに。わざとボールを落として、フライだと思って帰塁していたランナーをダブルプレイにすることを防ぐためのルールです。
ただ、ややこしいのは、審判の誰か1人でも「インフィールドフライ」を宣告した瞬間に発動・成立するため、周りの審判がそれを把握していないと、ボールを落とした場合に混乱が起きます。
たとえば9回裏同点、ワンアウト満塁で、ピッチャーフライが上がったとします。3塁の塁審がこれを容易に取れると判断して「インフィールドフライ」を宣告。この時点でバッターはアウト、ランナーに進塁義務はありません。
しかし、3塁の塁審以外は誰も宣告に気付いておらず、しかもピッチャーがそのフライを取れずに落としてしまったら?
宣告に気づいていないピッチャーは慌てて取ってホームをタッチ。主審もアウトを宣告。さらに1塁へ送球し、1塁の塁審もアウトを宣告。
ダブルプレイでチェンジ、延長戦だ!と思いきや、3塁ランナーをタッチしていないのでセーフ。まさかの「サヨナラインフィールドフライ」が成立します。
嘘みたいですが、この「サヨナラインフィールドフライ」はプロ野球でも過去に2度起きています。プロを持ってしても、瞬時には分かりづらいルールと言えるでしょう。
ちょっとだけ難しい野球用語。観戦する際の参考になれば幸いです。
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