#1.「レトロ郵便局」がもっと楽しくなる鑑賞のコツ
新型コロナウイルス感染症のリスクを回避するため、通常の観光コースではあまり組み込まれない「こだわりのスポット」を中心に周遊する方が増えています。そんな「避密の旅」を楽しむのであれば、明治・大正・昭和のレトロ郵便局を組み合わせても面白いかもしれません。
Q.レトロ郵便局に洋風建築はなぜ多い?
郵便局は「日本最初のフランチャイズ」ともいわれ、明治政府が全国に郵便を普及させるために、地域の有力者に依頼して郵便局長を引き受けてもらいました。当初は郵便局長の自宅や宿泊所、商業施設などを利用した郵便局が多かったのですが、やがて郵便専用の局舎を新設するようになります。昭和初めまでの郵便局は地域のランドマークであり、「時代の最先端」をいく通信施設でもあったことから、洋風建築のデザインが好んで用いられました。なお、レトロ郵便局は明治の終わりから昭和18年頃までの郵便局舎を指し、その多くがすでに郵便局としての役割を終えています。
Q.いま「レトロ郵便局」が人気の理由は?
レトロ郵便局が注目されている背景としては、1996年(平成8年)に登録有形文化財制度ができたことが挙げられます。歴史的建造物に適用しやすい制度設計であるため、すでに全国で50を超える明治・大正・昭和の旧郵便局舎が登録有形文化財となりました。SNSを通じて、近代建築の歴史的意義が注目される機会が増えたことや、クラウドファンディングで歴史的建造物をリノベーションした例が増えていることも関わっています。
Q.注目すべきは「瓦」?レトロ郵便局の鑑賞のポイント
レトロ郵便局の楽しみ方はいろいろありますが、個人的なお薦めは「瓦」に隠れたマークの鑑賞です。家紋や縁起物などさまざまな意匠がありますが、〒マーク(郵便マーク)が描かれた瓦を見かけることもしばしばです。ネットで検索すれば、レトロ郵便局の所在地などは確認できますが、瓦の形状まで紹介されることは少ないので、現地に行くまでのちょっとしたドキドキ感があります。
Q.レトロ郵便局に隠された「〒マーク」は?
もう1つの楽しみはレトロ郵便局の装飾に隠された「〒マーク」を探すことです。ちょっとした文様や窓枠の形状などの中に、よく見ると〒マークが隠されていることがあります。現地の人も気づかずに見過ごしていることもありますが、目が慣れてくると、すぐにそれと分かります。ちなみにこちらは旧肘折郵便局舎(山形県大蔵村)です。温泉地の目抜き通りにある旧郵便局舎なのですが、すべての窓に〒マークが並んでいます。
Q.「現役」は少ない? レトロ郵便局舎はいま……
現存するレトロ郵便局はカフェやレストラン、観光案内所として活用されていたり、公民館やコミュニティセンターなどとして一般に開放されていたりする例も多くあります。一歩足を踏み入れると、明治・大正・昭和にタイムスリップするような感覚が味わえるスポットだったりするので、旅行ガイドなどでレトロ郵便局を見かけたら、足を運んでみてはいかがでしょうか。
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