料理が好きな人だけでなく、台湾が好きな人にも人気の調理家電「大同電鍋(だいどうでんなべ)」をご存じですか? 「TATUNG(大同)」という台湾の電機メーカーが製造販売しており、台湾の家庭には必ずあると言っていい電気調理鍋のことで、炊飯、煮込み、蒸し物や総菜の温めにも使える万能な調理家電なんです。
もちろん、日本には「ヘルシオ ホットクック」をはじめとする便利な電気調理鍋がたくさんありますが、大同電鍋はそのレトロなデザインも目を引くため、最近では大同電鍋の公式ミニチュアフィギュアが3月下旬に発売されるほど人気です。一体どんな電気調理鍋なのか紹介しましょう。
ごはんがふっくら炊きあがるので炊飯器としても優秀
大同電鍋を手にしたら、最初に試したいのが炊飯。内釜にといだ米を入れ、外釜に水を入れたら、フタをして炊飯スイッチをオンにすると、水の量に合わせて加熱を行います。ちなみに、BALMUDAの炊飯器もこれと同じ加熱方法です。
内蔵メニューなどはなく、スイッチをオン/オフするだけのシンプルな仕様。加熱時間は2~3カップの炊飯で外釜に1カップの水を入れると15~25分、8~11カップの炊飯で外釜に1.5カップの水を入れると35~45分となっています。
今回は油揚げと塩昆布で炊き込みごはんを作ってみたところ、ごはんの粒立ちが良く、鍋で炊いたときのようなしゃっきり感が楽しめる仕上がりでした。安いからとマイコン式の炊飯器を使うのであれば、大同電鍋のほうがごはんはおいしく炊けると思います。
保温機能も搭載していますが、「保温」スイッチをオンにしておく必要があるので注意。また、保温は手動でオフにする必要があるので、切るのを忘れないようにしましょう。
スープや煮込み料理も簡単に作れる
筆者が作ってみて驚いたのが、ポトフです。ジャガイモ、タマネギ、ニンジン、鶏もも肉をコンソメと水で煮込んだのですが、火が通りにくい食材をカットせずに煮込んで本当に芯まで火が入るのか不安でした。
完成したポトフはタマネギがトロットロ、ジャガイモはホロホロに仕上がっており、まるで圧力鍋で作ったかのような仕上がりです。にんじんもスウープがじゅわっと染み込んでいて、鶏もも肉も一切硬くなっていません。直火でないので食材の縮みが少ないのも大同電鍋の特徴です。
ただし、今回はMサイズの大同電鍋を使ったのですが、加熱時間を長くしようと540cc(付属のカップで3カップ分)の水を入れたところ、加熱中に水が外に吹きこぼれてしまいました。そうならないためにも外釜に入れる水は2カップ程度が上限かなという感じです。
シェントウジャンなどの台湾料理作りにもおすすめ
せっかく大同電鍋があるなら作っておきたいのが、台湾で朝食として愛される「シェントウジャン」という豆乳を使ったスープです。実は作り方は簡単で、豆乳に黒酢を混ぜて加熱するだけです。
器に干しエビ、ごま油、粗みじんにしたザーサイを入れ、完成したスープを注いだら、青ネギとトースターで焼いた油揚げ、ラー油、塩適量を載せれば完成! 豆乳が黒酢の作用でおぼろ豆腐のように固まるので、よくかき混ぜて食べましょう。
筆者は台湾にシェントウジャンを食べるために行くと言っていいほど大のシェントウジャン好きなので、こうして自宅で手軽の作れるのがうれしい限り。しかも台湾生まれの調理家電を使っているので、現地を訪れた際の思い出も蘇ります。
「料理を時短したい」「とにかく手間を減らしたい」といった料理の効率化を求める人には、少し物足りなさを感じるかもしれないのも事実です。しかし、手軽にほったらかし調理ができる点と、そのルックス、さらには台湾気分が高まるといった点は大同電鍋の強み。1度使い始めれば手放せなくなること必至です!
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