街中で「PUDO」と書かれたロッカーを見たことはあるだろうか。駅やスーパー、コンビニ、ドラッグストア、駐車場、公共施設など、都市部では至る所で見かける存在だ。
実は、このロッカーを利用して、宅配便などの荷物受け取りや発送が行える。受け取り可能時間に不在になることが多い人や、営業所やコンビニが近くにない人などにとっては、知っておいて損はないサービスだ。
「PUDO(プドー)」とは?
このロッカーの正式名称は「PUDOステーション」という。2016年5月にネオポストグループとヤマトグループによる合弁会社として設立した「Packcity Japan(パックシティジャパン)」という会社が展開するオープン型宅配ロッカーだ。
同事業の運営が開始されたのは、2016年7月。設置場所は、Packcity Japanの公式サイトにある地図などから確認可能であり、2022年2月現在、主要都市を中心にかなりの数が設置されている。
ここでいう「オープン型宅配ロッカー」とは、文字通り一般に解放された(=誰でも使える)ロッカーのこと。「オープン型宅配ボックス」と表現されることもある。ユーザーは対応するサービスに登録しておけば、荷物の受け取り場所や、非対面での荷物発送場所としてこうしたロッカーを活用できる。
Packcity Japanの公式サイトでは、PUDOステーションと提携している企業としては、ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便、DHLジャパン、順豊エクスプレスの5社が表記されている。PUDOステーションを利用するには、それぞれの企業が提供する受け取り指定サービスから、それぞれ指定された手順で操作しなくてはならない。詳細は利用するサービスに合わせて確認しよう。
例えば、ヤマト運輸の受け取りでPUDOステーションを利用する場合には、まず、クロネコメンバーズに登録した上で、「お届け予定通知」「ご不在連絡通知」のURL、または「Myカレンダーサービス」のメニューから、荷物の受け取り場所としてPUDOステーションを選択する。
続いて、荷物が届いたら受け取り場所として指定したPUDOステーションに赴き、ロッカーに備わっているタッチパネルを操作して、納品完了通知に記載された認証番号を入力するか、バーコードをスキャナにかざす。そして、タッチパネルにサインを記入することで、荷物が収納されたロッカーの扉が開く。荷物を取り出して、扉を閉めれば受け取り完了だ。
発送作業も行える
PUDOステーションは、一部サービスにおいて荷物の発送にも対応する。特に、ヤマト運輸は2022年1月に、「宅配便をスマホで送る」サービスにおける発送場所の1つとしてPUDOを追加。これにより、一般荷物の発送でもPUDOステーションを利用しやすくなった。
同サービスを用いてPUDOステーションから一般荷物の発送する場合、手順は大きく3つに分かれる。
まず、通常通り発送する荷物を梱包した上で、荷物のサイズ・重さの確認を発送者自身が行う。続いて、スマートフォンの「クロネコヤマト公式アプリ」の「宅急便をスマホで送る」メニューから発送に関する情報を登録し、2次元コードを発行する。そして、PUDOステーションに赴いて、タッチパネル操作をした上で、2次元コードをPUDOのリーダーにかざし、いくつかの確認項目をチェックし、開いたロッカーに荷物を収納する。
PUDOステーションは無人施設なので、基本的にスタッフが手伝ってくれることはない。全ての工程を、発送者自身の責任で行う必要がある。利用に際して、巻き尺やはかりなどは用意しておく必要があると理解しておこう。
なお、PUDOステーションからの発送に対応するのは、「宅急便」または「宅急便コンパクト」のみで、常温の荷物に限られる。「宅急便」は発払いと着払いを指定できるが、「宅急便コンパクト」の場合には「発払い」のみだ。
また、「宅急便」の場合には、全てのサイズに対応するわけではない。PUDOステーションから送れる宅配便は、重さが5kg以内である「S」サイズと、縦横高さの合計値が120センチ以内で、かつ重さが15kg以内の「M」サイズの2種類のみ。それよりも大きな荷物は、PUDOステーションから発送できない。
また、PUDOステーションには基本的にレジ機能は備わっておらず、発送時の支払いに関して、現金を利用することはできず、オンライン決済となる。具体的な決済方法について、筆者がiPhoneで検証した際には、「Apple Pay」「auかんたん決済」「ドコモ払い」「クロネコペイでのクレジットカード払い」が利用できることを確認できた。
フリマアプリの発送や、Amazonの返品などにも使える
ヤマト運輸が一般荷物の発送に対応するまで、PUDOステーションから荷物を発送できたのは、個人間取引サイトでの製品発送や、一部ECサイトの返品のみに限られていた。
例えば、メルカリの「らくらくメルカリ便」で売れた商品の発送(2018年11月21日から提供開始)や、ラクマの「かんたんラクマパック」での発送(2021年4月26日から提供開始)、ヤフオク!の「ヤフネコ!パック」、PayPayフリマの「おてがる配送」での発送(2021年10月~11月には実証実験として、その後正式サービスとして提供)など、ヤマト運輸による運送サービスが該当する。
実際に、筆者が2021年末にメルカリの発送をPUDOステーションから行った際には、発送の仕方をメニューで選択することで、スマホのアプリ画面に2次元コードが発行された。これをPUDOリーダーでかざすと、発送手続きが行えるという流れだった。なお、送料は売上金から引かれることになるので、支払い方法を指定することがないのが、一般荷物の発送とは異なる点だ。
返品でいえば、Amazonの返品にPUDOステーションが利用できる。公式ヘルプページの記載によれば、「対象の店舗に持ち込み(返品用ラベル印刷不要)」を選択し、「返送手続きを開始」をクリックしたうえで、梱包した商品とスマホを最寄りのPUDOステーションに持参し、QRコードを読み込ませればよい。
ほかにも、月額制のファッションレンタルサービス「airCloset」のように、レンタルアイテムの返送にPUDOステーションでの発送が利用可能なサービスもある。さらに、Packcity Japanのプレスリリースを確認すると、医薬品やコンタクトレンズ、クリーニング品の受け渡しなどにPUDOステーションが運用されるケースもあるようだ。
これまでPUDOステーションのことを、“街中で見かける謎のロッカー”と認識していた人もいるかもしれないが、上記のように同サービスには多くの活用法が存在する。荷物の受け取り場所としてはもちろん、新たに対応した宅配便の発送場所としても、ぜひ注目してみてほしい。
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