LINEの軽量版Androidアプリ「LINE Lite」が2月28日にサービスを終了します。これに伴い、SNS上では一部愛用者らの困惑する声が散見されました。通常の「LINE」アプリのみを使っているユーザーへの影響はありません。
「LINE Lite」は低スペック機向けのアプリだった
そもそも、LINEがAndroid向けの軽量版アプリ「LINE Lite(ラインライト)」の提供を開始したのは2015年7月のこと。当初の提供エリアとしてはインド、メキシコ、サウジアラビアなどの海外11カ国が指定されており、日本はサービス対象外でした。
これは、LINE Liteが、ネットワークインフラが十分に整備されていない地域や、低スペックのスマートフォン上でも軽快に動作するアプリとして設計されていたためです。
例えば、リリース時の同アプリの容量は1MB未満でしたし、最近でも20MB強でした(※Android版は端末によってアプリの容量が異なります。また、参考として2022年2月現在の通常版LINE、iOS版 ver.12.1.0の容量は255.5MB)。
参考:【LINE】容量1MB以下の軽量版LINE「LINE Lite」を海外11ヶ国に向けて公開(LINEのプレスリリース)
2台持ち向けの便利ツールという側面も
こうした“本来の用途”とは反し、LINE Liteにはもう1つの需要もあったようです。それは、「同じLINEアカウントに複数のAndroid端末からログインできる」という特徴を持っていたため。ネット上には、こうした文脈でLINE Liteを活用する方法を掲載したブログ記事が数多く確認でき、“抜け道”的なツールとして一部のユーザーに知られていたことが分かります。
通常、「LINE」のアカウントは、PC向けのアプリなど、一部の例外を除き、複数のスマートフォンで同時にログインすることはできません。
例えばスマートフォンを2台持ちしている場合、2台目の端末で1台目で使っているLINEアカウントにアクセスすると、1台目のスマートフォンではLINEから強制的にログアウトさせられ、トーク履歴も削除されてしまいます。セキュリティ面を担保する上では重要な仕様ではありますが、複数台を併用するユーザーにとっては頭を悩ませる仕組みでもありました。
しかし、スマートフォンの扱いに詳しいユーザーの中には、APKファイルを入手したり、VPNなどを活用して海外のGoogle Playストアからインストールしたりすることで、本来日本では提供されていないLINE Liteを入手するユーザーがいたようです。一般に推奨できる手法ではありませんでしたが、これらのアプローチによって「1つのLINEアカウントを複数台で運用する」ことは可能でした。
2月28日の12時に提供終了へ
そんななか、LINEは2022年1月28日、LINE Liteのサービス終了について告知しました。具体的には、同年2月28日の12時(正午)に提供終了を迎えます。具体的な終了理由については、明らかにされていません。
同発表文によれば、LINE Liteを利用中のユーザーが引き続きLINEを利用するには、通常の「LINE」アプリにアカウントを引き継ぐ必要があります。ただし、LINE Liteで送受信したメッセージはLINEアプリに引き継がれないため、別途保存する必要があるとのこと。
一応、iPad向けのLINEアプリや、PC向けのLINEアプリ、Google Chromeの拡張機能としてChromeウェブストアに公開されているLINEなども存在します。これらを活用すれば、今後も1台目のスマートフォンにおけるLINEアカウントのログインを維持しつつ、サブのデバイスでもLINEを利用できます。ただし、これらもAndroidスマートフォン等における直接的なLINE Liteアプリの代替ツールにはなりません。
そのためSNS上では「複数端末で1つのLINEアカウントに同時ログインしたい」と求める声や、運用ツールの見直しを検討する声も少なからず見受けられます。
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