海外から眺めてみたら! 不思議大国ジャパン 第3回

「寒くないのか?」と外国人が不思議に思う、日本人の防寒ファッションに“足りない”もの

先日、「日本人の防寒スタイルを外国人は不思議に思っている」という話を小耳に挟みました。そういえば自身もヨーロッパ移住にあたって、初めて購入した防寒アイテムがあることを思い出しました。

外国人か「あれ?」と思う、日本人の防寒スタイル

先日、外国人が「日本人の防寒スタイルを不思議に思っている」という話を小耳に挟み、そういえば自身もヨーロッパ移住にあたって、初めて購入した防寒アイテムがあることを思い出しました。

それはニット帽。アルプスを抱くオーストリアやスイスなどのヨーロッパ内陸部の冬は底冷えが激しく、ニット帽やイヤーマフ、ヘッドバンドといった頭用の防寒具が欠かせません。それに比べて、日本は北部を除くと寒さは比較的マイルドですが、やはり頭のぬくもりを守るのと守らないのでは温かさが雲泥の差。これほど便利でお洒落アイテムにもなるのに、なぜ日本では冬場の帽子が不人気なのでしょう。気候以外にも何か原因があるのでしょうか?
 

理由1. 髪型が崩れやすく、リカバリーしにくい

中欧在住の私は冬場になると、ニット帽の圧迫で髪型が崩れるのを踏まえて、アップスタイルは極力しません。しかしある時、白人系ヨーロピアンの友人がポニーテール姿で登場したため、とても不思議に思って観察することに。すると、彼女の柔らかな髪質では帽子を何度着脱しても、まとめた髪がまったくといっていいほど乱れていないではありませんか! ヨーロッパの人は髪が細い・柔らかい・色素が薄いと三拍子揃っているせいか、飛び出したおくれ毛がほとんど目立たないうえ、帽子につぶされてペタンコになった前髪も、少し頭を振れば元通りに。アジア人特有の太い・硬い・暗い髪の私が同じことを試みると、おくれ毛がツンツンと飛び出て、生活に疲れた印象が拭い切れませんし、頭を軽く振ったり、髪をかき上げる程度では、つぶれた前髪は決して再生できないこと請け合いです。
 

理由2. 髪で立体感や小顔効果を演出している

ヨーロッパの人はそもそも顔立ちや頭形がとても立体的であるうえ小顔な人も多いので、帽子で髪がペタンコに崩れたとしても、髪でカバーする必然性が私たちよりも低いように思われます。

それに比べて日本では、カット、パーマ、カラーリングなどを駆使して、髪の軽やかさや立体感を作り出し、小顔効果を生み出す工夫が積極的に研究されています。日本人美容師のカット技術が世界一とも評される所以でしょう。

ところがニット帽を着用することにより、顔まわりの重要なアクセサリーである髪が隠れてしまうことになります。つまり小顔・立体補正が演出できず、顔のみが前面に押し出された状態では、非常にごまかしづらいことに。スキンヘッドはよほど顔立ちと頭形が整っていないと似合いにくいとされるのと、似たような理由かも知れません。

とはいえ、私もヨーロッパに10年以上住むうちに、自分の粗をさり気なく隠してくれるニット帽の傾向がわかるようになってきました。上手に探せば、顔立ちや輪郭をうまく補正し、お洒落度を底上げしてくれるアイテムは必ず見つかります。それに、ゆったり目に編まれたものを選べば、ヘアスタイルへのダメージも最小限で済むので、寒さのつらい季節を健康で快適に過ごすためにも、ぜひご自身にぴったりのニット帽を探されてみてはいかがでしょうか。


【おすすめ記事】
Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

連載バックナンバー

Pick up

注目の連載

  • 恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」

    静岡の名所をぐるり。東海道新幹線と在来線で巡る、「富士山」絶景ビュースポットの旅

  • ヒナタカの雑食系映画論

    『グラディエーターII』が「理想的な続編」になった5つのポイントを解説。一方で批判の声も上がる理由

  • アラサーが考える恋愛とお金

    「友人はマイホーム。私は家賃8万円の狭い1K」仕事でも“板挟み”、友達の幸せを喜べないアラサーの闇

  • AIに負けない子の育て方

    「お得校」の中身に変化! 入り口偏差値と大学合格実績を比べるのはもう古い【最新中学受験事情】