師走の広島の街を彩るクリスマス電車。市内で路面電車を運行している広島電鉄が1991年に走らせて以来、この時期の風物詩となってきた。2020年はコロナ禍のため中止を余儀なくされたが、2021年は2年ぶりの運行、しかも節目の30周年とあって華やかな雰囲気で注目を集めている。
広島電鉄のクリスマス電車とは
広島電鉄(路面電車)のクリスマス電車は、12月11日から24日までの運行で、昼と夕方に市内をめぐる。
貸切がメインで、ルートは、
(1)広島駅~紙屋町東~広島港、
(2)広島駅~紙屋町東~広電西広島、
(3)広島駅~紙屋町東~横川駅
のうちから選べる。片道あるいは往復もチョイスでき、費用は片道(1行程)=1万8240円、往復(2行程)=3万6480円だ。定員は、感染対策もあって12人に抑えられているので、仲間を集めれば1人1500~3000円程度出せば乗車できる。
車両は、通称「ハノーバー電車」と呼ばれる238号という電車だ。1928年にドイツで製造され、車体のみ1950年に新造されたレトロで異国情緒あふれる車両である。広島市とドイツのハノーバー市(英語読みで、ドイツではハノーファーHannoverと発音する)が姉妹都市縁組をしている縁で、1989年に現地から寄贈されたものだ。普段走ることはなく、近年はクリスマス電車専用の感がある。
外見はクリスマス電車らしく華やかな飾りつけを施されている。両サイドは異なるイラストが描かれ、片面は子どもも喜びそうなかわいらしいデザイン、別のサイドは大人向きのシックで上品なデザインとしている。
取材した夜は、こどもを中心としたグループ客が広島駅から乗車、運転士は赤い帽子をかぶってサンタクロースになりきっていた。路面電車は道路事情により遅れることもあるようで定時の17時30分を少々過ぎて夜の街へ乗り出していった。
12月24日の最終日は特別運行と銘打ってサンタクロースが乗車、広電西広島で30分ほど停車する間に子ども達にプレゼントを配布する予定だ。
何かと暗いニュースが多い中、少しでも世の中を明るくするために今後もクリスマス電車の走行を楽しみにしたいと思う。
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【関連リンク】
・クリスマス電車の運行について(広島電鉄)