【マニアックな業界用語】舞台用語編
この舞台用語、あなたは知ってますか?
演劇やお笑い、最近では2.5次元ミュージカルも人気を集めている舞台業界。お目当ての俳優さんが知らない舞台用語を使っているのを耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
「板につく」や「打ち上げ」など、一般でも使われるようになった言葉も多い舞台用語。まだ一般に知られていない言葉を使えば、今日からあなたも舞台通! 観劇仲間に一目置かれるかも?
そこで今回は「ちょっとだけマニアックな舞台用語」を紹介します!
マチソワ
昼公演(マチネ)と夜公演(ソワレ)を通して観劇すること。語源はフランス語で、朝・午前を意味する「matinée」と、夕方・夜を意味する「soirée」から。
舞台は水物なので、同じキャスト・同じ台本でも、マチソワで印象は変わります。これは筆者の経験ですが、マチネの方がお客さんの反応がよく、ソワレの方が出演者のコンディションがいい気がします。
そんな違いも楽しめるマチソワは、おすすめの観劇スタイル。舞台通を目指す方は、ぜひマチソワで参戦して見比べてみてください。
暗転・明転
舞台上の装置や俳優を移動させて違う場面へ移る場面転換を、照明を暗くして行うことを暗転、逆に明るいままで行うことを明転と呼びます。
ただ、お笑いの舞台では、漫才だったら「明転飛び出し・挨拶終わりで暗転」というように、単純に舞台が暗くなる・明るくなるという誤用の意味が定着しています。
これは筆者の推測ですが、演劇は各場面がつながっているので流れを切らさない「明転」が使われるのに対して、お笑いは各ネタが独立しているので基本的に「暗転」だけのため、暗転が終わって次のネタが始まるときの照明オンを「明転」と呼ぶようになったと思われます。
合コンで出会ったイケメンが「仕事は舞台関係」と言葉を濁してきたら「明転のときどうしてる?」と聞いてみましょう。「明るい中で場転してる」と答えたら俳優、「明るい感じで飛び出してる」と答えたら漫才師です!
バミる
場面転換の際、舞台セットの置き場所や俳優の立ち位置がわかるように、舞台に目印を張り付けること。
語源は「場を見る」とされています。暗転でも見れるように蓄光テープが使われることが多く、上演中に目立たないようになるべく小さく切って使います。
また、あらかじめ位置を決めておくことから転じて「明日の稽古場バミっといて」というように、スケジュールを予約するという意味でも使われます。
ただ、若者言葉で「バーミヤンに行く」という意味の「バミる」もあるので注意が必要です。もしあなたが、演出家に「バミりたいからバミッといて」と言われたらどうすればいいか。
立ち位置を決めたいから、稽古場を予約しろってことなのか? 打ち上げで中華を食べたいから、バーミヤンを予約しろってことなのか? どっちか分からないですよね。
そんなときは「それって蓄光使います?」と聞いてみましょう。「どういうこと?」と聞き返されたらバーミヤン。「当たり前だろ!」と灰皿を投げつけられたら蜷川幸雄世代。若者言葉ではないので、稽古場の方を予約しましょう。
いかがでしたか。ちょっとだけマニアックな舞台用語。これで今日からあなたも舞台通! 緊急事態宣言も終わり、明るく転じつつある舞台業界。ぜひマチソワの観劇をバミッてみてはいかがでしょうか。
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