9月6日に営業運転を開始した相模鉄道の新型車両21000系。すっかりお馴染みになった「YOKOHAMA NAVYBLUE」の塗装に身をまとって颯爽と走っている。この車両は、2022年度下期に予定されている相鉄・東急直通線用として製造されたものだ。
本記事では、今後の予定についてレポートしてみたい。
20000系との違いは
ところで、相鉄・東急直通線用の車両といえば、20000系が2018年にすでにデビューしている。これで2種類の電車が登場したことになるのだが、どこが違うのか? 細部の違いはあるが、パッと見たところ同じにしか見えない。
一番の違いは、先に登場した20000系が10両編成なのに対し、21000系は8両編成であるということだ。これは、走行予定線区の違いによるものである。
すなわち、相鉄・東急直通線というのは、すでに開業している相鉄・JR直通線の羽沢横浜国大駅から分岐し、新横浜駅を経由して、東急東横線の日吉駅に至るものだ(西谷~新横浜は相鉄新横浜線、新横浜~日吉は東急新横浜線)。そして、日吉駅から先は、東横線に乗り入れて渋谷、さらに東京メトロ副都心線方面に直通する計画で、これには10両編成の20000系が充当される。
8両編成の21000系を用意したワケ
しかし、もう一つのルートが予定されていて、それは日吉駅から東急目黒線に乗り入れ、目黒駅からは、さらに東京メトロ南北線や都営地下鉄三田線に直通することになっている。こちらは、当初、それほど利用客が多くなかったので、6両編成に統一されていたのだが、このところの乗客増で8両編成に増強し、ホームの延長工事や6両編成の8両編成化が予定されている。そのため、相鉄は20000系ではなく、8両編成の21000系を用意したというわけなのである。
2019年11月30日の相鉄・JR直通線開業までは、神奈川県から出ることのなかった相鉄の車両だが、以後、都心の新宿、さらには池袋までYOKOHAMA NAVYBLUEの相鉄12000系が顔を見せるようになった。2022年度下期に予定されている相鉄・東急直通線が開業した暁には、相鉄の車両が、渋谷をはじめ都心の複数のターミナル駅にも出没することになる。
一方で、これまで自社の車両しか走っていなかった相鉄線内には、すでにJR東日本のE233系が姿を見せている。近い将来、東急や東京メトロ、都営地下鉄、ひょっとしたら西武や東武の車両も走ることになるかもしれず、興味津々である。その反面、鉄道事情に疎い人にとっては混乱を招くことになるかもしれない。
21000系は、しばらくは相鉄線内でしかお目にかかれないけれど、都心の地下で出会う日が来るのを楽しみに待ちたい。
写真&資料提供=相模鉄道
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