TikTokで人気が再燃! ”ツツイスト”がおすすめする「はじめての筒井康隆」3選

TikTokをきっかけに人気が再燃! 筒井康隆の実験的小説『残像に口紅を』がAmazonでベストセラー1位となるほどの大きな話題に。これを機に読み始めたいという人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、おすすめの筒井康隆作品3選をご紹介します。

TikTokをきっかけに人気が再燃!


筒井康隆の実験的小説『残像に口紅を』がAmazonでベストセラー1位となり、緊急重版も決まるほどの大きな話題に。この機会に読み始めたいという人も多いのではないでしょうか。


そこで今回は、これから読めばハマること間違いなし! おすすめの筒井康隆作品を3冊ご紹介します。

 

唯一無二の世界観! 筒井康隆の沼へようこそ


1960年のデビュー作『お助け』以来、実に60年以上も第一線で活躍を続ける作家・筒井康隆。
 

筒井康隆氏(画像は早川書房公式noteより)


星新一・小松左京と並んで「SF御三家」と呼ばれ、またSFの枠にとどまらず実験的小説を次々と発表。エンターテインメントと純文学を越境して、唯一無二の世界観を築き上げてきました。
 

2018年には初の大規模展覧会も開催(写真は筆者撮影)


執筆ジャンルは多岐に渡り、傑作も数知れず。”ツツイスト”と呼ばれるファンの間でも「おすすめ作品」は意見が分かれる所ですが、今回は手軽に読め始められる短編・中編から3冊ご紹介します!

 

1. 何度でも読み返したくなる! 完璧な推理小説『富豪刑事』


1975年刊行の推理小説。富豪で刑事の主人公が、靴底をすり減らして聞き込みをする刑事モノの常識を覆し、金を湯水のように使って事件を解決します。
 

『富豪刑事』(新潮文庫、画像はAmazonより)


2005年に深田恭子主演でドラマ化、2020年にアニメ化もされた人気作品。主にSFを書いてきた筒井康隆初の推理小説であり、それまでのジャンルを越境する作品といえます。


制約の多い推理小説を選んだのは「ひとつでもこういうものを書いておけば、あとはもうめちゃくちゃに書けると思ったから」(新潮社公式YouTube『作家自作を語る』より)。


そんな制約を自分に課して、4話書くのに2年半かけた本作品は、美しさを感じるほどの文章のリズム、構成、ストーリー。


何度でも読み返したくなる、完璧な推理小説です。

 

2. 多彩なジャンルを収録! 珠玉の短編集『薬菜飯店』


1988年刊行の短編集。収録作品は、他のグルメ小説とは一線を画す読後の爽快感にファンも多い表題作『薬菜飯店』。
 

『薬菜飯店』(新潮文庫、画像はAmazonより)


衝撃的なラストが待ち受けるブラックコメディ『イチゴの日』、世界を救うため少年時代にタイムスリップするSFジュブナイル『秒読み』。


そして「読点を一切使わない」独特の語り口で、幻想的な世界へ読者を惹き込む『ヨッパ谷への降下』(川端康成文学賞受賞)など、珠玉の短編6作品。


さらに当時のベストセラー『サラダ記念日』を本歌どりしたパロディ短歌『カラダ記念日』も特別収録。巻末解説に俵万智を招くという徹底ぶり! 


SFに純文学、エログロナンセンスなブラックコメディまで。多彩なジャンルを越境する筒井康隆ワールドを楽しめます。


あなたの好きな筒井康隆が、きっと見つかるはず!

 

3. これぞ筒井康隆の真骨頂! SF小説の金字塔『パプリカ』


1993年出版。研究者であり夢探偵でもある主人公パプリカが、他人の夢とシンクロして無意識に侵入する装置をめぐる争奪戦を繰り広げるSF小説です。
 

『パプリカ』(新潮文庫、画像はAmazonより)


2006年に今敏監督によってアニメ映画化。クリストファー・ノーランの映画『インセプション』にも影響を与えたとされている、SF小説の金字塔的作品。


夢と現実が交錯する独特の世界観、二転三転しながらヒートアップしていくストーリー、そしてそれらを軽妙な語り口で描き切る卓越した文章!


まさに筒井康隆の真骨頂といえる作品です。

 

おすすめ3冊じゃ収まらない! この夏、君も”ツツイスト”になろうよ


この他にも、出版から30年後に「ジブリで映画化されるらしい」という噂から火がついて、再ブームとなったSFファンタジー『旅のラゴス』。


あとは「1ページ1分として時間が進んでゆく」などの手法によって小説の虚構性を極限まで突き詰めた実験的純文学『虚人たち』も捨てがたいですね。


もちろん『時をかける少女』も間違いないし、『文学部只野教授』も面白いし、『朝のガスパール』も入れときたい……! と、紹介し始めると止まらないので、この辺で終わりにします。


この夏、君も”ツツイスト”になろうよ!

【おすすめ記事】
東大生が子どもの頃に読んだ本は? 5人に1人が回答したジャンルは「地図」と「国旗」の本だった
将棋ガイドも“まいりました”、思わず唸る推理小説9選
「中学受験」に読書はやっぱり有利? 難関中学に合格した子たちはこんな本&漫画を読んでいた!
短編小説! 日本や海外の文豪の魅力を学べるおすすめ作品20選

Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

注目の連載

  • 「婚活」の落とし穴

    「年の差婚」の限界点……男性40代×女性20代は結婚相談所でも0.5%のスーパーレア案件だった!

  • ヒナタカの雑食系映画論

    映画『デデデデ』が大傑作になった5つの理由。『前章』『後章』の構成の意義と、現実に投げかける希望

  • ここがヘンだよ、ニッポン企業

    親を就活に巻き込むオヤカク、オヤオリ…“学校化”が進む企業に忍び寄る「毒ハラ」とは?

  • 「港区女子」というビジネスキャリア

    「港区女子=事業資金集め」という選択肢。昼は不動産営業、夜は港区ラウンジ嬢だった30代女性の現在