夏休みの読書や課題図書にも! 難関中学で出題された本厳選13冊【2021年度男子校編】

難関中学の国語の入試問題として出題された作品をピックアップ。「筑波大学附属駒場中学校」「開成中学校」「麻布中学校」「武蔵中学校」「聖光学院中学校」「栄光学園中学校」「駒場東邦中学校」「海城中学校」「早稲田中学校」2021年の入試問題に注目しました。

麻布中学校(2021年)

(6)津村記久子「河川敷のガゼル」※『サキの忘れ物』(新潮社)収録

2005年「マンイーター」(のちに『君は永遠にそいつらより若い』に改題)で太宰治賞を受賞しデビューした津村記久子の短篇集。収録作品が同じ年の大学入試共通テストの第二日程にも出題されたことで話題になりました。
『サキの忘れ物』(新潮社)
『サキの忘れ物』(新潮社)

 

栄光学園中学校(2021年)

(7)藤原辰史『食べるとはどういうことか』(農山漁村文化協会)

20世紀の食と農の歴史や思想について研究をしている京都大学の藤原辰史さんが、中高生とともに「食べる」ことへの本質に迫った作品。ユニークな授業を展開していることでも知られる栄光学園らしさが感じられます。 
『食べるとはどういうことか』(農山漁村文化協会)
食べるとはどういうことか』(農山漁村文化協会)
 
(8)いとうみく『朔と新』(講談社)

2021年栄光学園中学校のもう一冊の出題作品がこちら。浦和明の星、ラ・サールでも同作品が出題されたことで話題になりました。第58回野間児童文芸賞を受賞した作品。
『朔と新』(講談社)
朔と新』(講談社)

 

駒場東邦中学校(2021年)

(9)工藤純子『あした、また学校で』(講談社)

例年、超長文の物語文の読解を出題する駒場東邦中学校。物語文が苦手な男子が多い中、小学校が舞台の小説は馴染みやすかったかもしれません。学校で起こる問題に向き合う子供たちの話は小学校高学年の夏休みの読書にもぴったりです。 
『あした、また学校で』(講談社)
あした、また学校で』(講談社)
 

海城中学校(2021年)

(10)寺地はるな『水を縫う』(集英社)

千葉御三家の「市川中学校」「東邦大学付属東邦中学校」でも出題されたことで話題となった本。普通ってなんだろう?と問いかける家族を題材にした小説です。2021年高等学校の課題図書にもなっています。 
『水を縫う』(集英社)
水を縫う』(集英社)
  
(11)若松英輔『弱さのちから』(亜紀書房)

人は強くなければならないのか。自分の弱さと向き合うこと、弱さを肯定するところから生まれるものもあるということ。現代を生き抜く若者たちに送るエッセイは、大人にも、自分自身を見つめなおす機会をくれます。 
『弱さのちから』(亜紀書房)
弱さのちから』(亜紀書房)
 

早稲田中学校(2021年)

(12)田辺聖子『夕ごはんたべた?』(新潮社)

数年以内の新しい作品から選ばれることが主流となっている昨今の問題傾向からすると、やや異色のセレクトといえそう。数々の著書を世に送り出し、文化勲章も受賞。2019年に亡くなった田辺聖子のユーモアあふれる小説はいま改めて読みたくなる一冊です。
『夕ごはんたべた?』(新潮社)
夕ごはんたべた?』(新潮社)

 

(13)ロバート・キャンベル「『ウィズ』から捉える世界」※『コロナ後の世界を生きる――私たちの提言』(岩波書店)収録

コロナ禍での受験となった2021年度、各所でコロナ関連の出題があるのではないかと予想されました。今後どう生きていくことになるのか、というシンプルな問いや不安に対する各界の識者による提言。  同じ作品の同じ個所が出題されることはありませんが、さすがは難関中学の先生たちが選んだ本。大人でも興味深いと思える作品が多数あります。中学受験生は、入試問題レベルの文章に慣れておくいい機会。受験学年でない子どもなら、読書感想文の題材にしても。時間がある夏休み、読む本に迷ったら、子どもと一緒に選んでみてはいかがでしょうか。


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