大人でも読み応えあり!? 2021年度難関中学で出題されたのはどんな本?
「こんな子どもたちに入学してほしい」という学校からの想いが込められている入試問題。国語では、数ある本の中から1冊の本の一部分を抜粋して主題されます。各塾では予想本リストなどが配布され、毎年どこかの塾で的中したと話題になるなど、注目が集まる出典作品。そんな出典作品をご紹介する第一弾では、男子難関中学の国語の入試問題として出題された作品をピックアップ。「筑波大学附属駒場中学校」「開成中学校」「麻布中学校」「武蔵中学校」「聖光学院中学校」「栄光学園中学校」「駒場東邦中学校」「海城中学校」「早稲田中学校」、以上9校の2021年の入試問題に注目。手に入りやすい本を中心にご紹介します。
筑波大学附属駒場中学校(2021年)
(1)小島俊明『ひとりで, 考える:哲学する習慣を』(岩波書店)「考える」ことについて考えることがテーマの本。これからの時代において考えることの重要性について、フランスの事例を紹介しながら語られています。
(2)五味太郎『ときどきの少年』(ブロンズ新社)
『きんぎょがにげた』『らくがき絵本』『ことばがいっぱい言葉図鑑』など、一家に一冊はあるかもしれない五味太郎さんの絵本。そんな絵本作家・五味太郎さんの自伝的エッセイ集『ときどきの少年』は第22回路傍の石文学賞を受賞しています。
開成中学校(2021年)
(3)山田玲司『非属の才能』(光文社)群れに属さなくても幸せに生きる方法はある。他人と考えが違ってもいい。多感なティーンエイジャーに読んでほしい一冊といえそうです。漫画家・山田玲司の作品。
武蔵中学校(2021年)
(4)加藤博子『五感の哲学』(ベストセラーズ)五感をとおして、体全体で世界を感じてみること。味覚、嗅覚、触覚、聴覚、視覚……人生を豊かに生き抜くことについて語られています。分かりやすい哲学講座で人気の加藤博子初の作品。さすがは「本質的な学び」を重視することで知られる武蔵中学です。
聖光学院中学校(2021年)
(5)森博嗣『面白いとは何か? 面白く生きるには?』(ワニブックス)誰もが知る人気作家が「面白さ」について考察した一冊。「可笑しい」という「面白さ」、「興味深い」という「面白さ」……、なにげなく日常的に使っている「面白い」という言葉を深堀り。面白い人は魅力的。そんなメッセージを感じます。
聖光学院中学校では同年、伊与原新「山を刻む」(※『月まで三キロ』(新潮社)収録)からも出題されました。
>>次ページは、同じ年の大学入試共通テストでも出題された「麻布中学」出題の本
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