日本は、「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「育児や介護との両立など、働くスタイルの多様化」などの課題や変化に直面する中、労働生産性の向上や、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ることが求められています。「働き方改革」とは、個々の事情に応じて多様な働き方を選択できるようになる社会を目指すため、政府が打ち出した政策です。
学情は5月7日、「働き方改革」に関するアンケート調査結果を発表。同調査は、企業の人事担当者357名を対象に、2021年4月19~23日の期間でインターネットにより実施しました。回答企業属性は従業員数が100名未満が26.3%、100~300名未満が31.7%、300~1000名未満が26.1%、1000~5000名未満が11.5%、5000~1万名が1.1%、1万名以上が3.4%です。
「働き方改革」に「全社的に取り組んでいる」企業は78.2%!
「働き方改革」の取り組みについて、「全社的に取り組んでいる」と回答した企業は78.2%に上りました。「部署、期間などを限定し、試験的に取り組んでいる」の9.5%と合わせると、87.7%の企業が何らかの取り組みを実施していることが明らかになりました。
「有給休暇取得の奨励」「残業の削減」など、労働時間削減が中心
具体的な取り組みとして最も多かったのは、「有給休暇取得の奨励」で91.4%。次いで「時間外労働(残業)の削減」(83.1%)、「長時間労働の是正」(74.8%)が続きました。
「時間単位の有休休暇の取得」や「フレックスタイム制の導入」など、労働時間の削減を中心に「働き方改革」に取り組んでいる企業が多いことがわかります。昨年からの新型コロナウイルスの感染拡大により、取り組む企業が増えたと思われる「テレワークの実施」は66.1%でした。
「働き方改革」の推進で「社員の定着」や「生産性の向上」に期待
「働き方改革」の推進により、解決を期待している課題は「社員の定着における課題」が44.7%で最も多く、次いで「経営における課題」(20.1%)、「業績拡大における課題」(10.2%)が続きました。
「20代社員の定着のためには、残業の削減など働く環境の改善が不可欠だと感じている」「『残業=頑張っている』という評価をしないことで、業務効率化や生産性向上を図りたい」「決められた時間で成果を上げる意識を醸成することで、業績向上にも繋げたい」などのコメントが見られました。
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