ボディタッチがくどすぎる?手柄は横取りのお局様?「教え魔」は、あなたの近くにもきっといる

“聞いてもいないのに”うんちくを長々と語ったり、“頼んでもいないのに”コツを教えようとベタベタしてきたり……。「教え魔」は、どんなコミュニティにも必ず存在するもの。今回はふたりの女性に、「教え魔」にターゲットにされた経験を語っていただきました。

神奈川県鎌倉市のとあるボーリング場に、「STOP! 教え魔」と書かれた張り紙が掲示されたことがSNSで広がり、注目を集めた「教え魔」。“聞いてもいないのに”うんちくを長々と語ったり、“頼んでもいないのに”コツを教えようとベタベタしてきたり……。「教え魔」は、どんなコミュニティにも必ずいるもの。今回は「教え魔」にターゲットにされた経験を持つふたりの女性に、当時のことを語っていただきました。

手柄は横取り!? 恐怖の「お局教え魔」

新卒で地元・千葉県の企業に入社し、かれこれ5年。もう新人ではなく中堅どころに入ったはずの成実さん(仮名・28歳)の悩み、それは、会社の先輩女性でした。
 

「とにかく教えたがりで、何度も何度も聞いていて既に知っているようなことも、壊れたレコードのように繰り返すんです。昨日も、私が営業先に行こうとすると『あの会社の社長さんは和菓子が好きだから忘れないでね。今の時期なら、和菓子は●●堂の柏餅よ。あの社長は粒あんが好きだから草餅の方を買うのよ。社員は〇名だから人数分忘れずにね。●●堂は××駅から歩いてすぐのところにあるから、時間に余裕をもってでかけないとダメよ。それから……』と、とめどなく続くんですから、たまったもんじゃありません」
 

入社したての頃こそ、親切心から言ってくれているのだから……と無碍にできなかったという成実さん。けれども次第に、「あれ?」と思うことが増えてきました。
 

「笑っちゃう話なんですけどね。例えばその会社の社長が和菓子好きだというのは確かにその先輩からの情報なのですが、●●堂の柏餅が美味しいことは私が調べた情報ですし、社長が粒あんが好きだというのも私が直接社長から聞いた話なんです。私たち後輩が調べた情報も全部、まるで自分が調べてきたかのように話すので、本当に厄介なんですよ。一度、傍らで話を聞いていた同僚が『先輩、その情報、成実さんが聞いてきたやつですよ』ってツッコミを入れてくれたんですが、先輩は『何言ってるの! これは私が独自に得た情報よ!』って怒りだして……」
 

教え魔なうえに、手柄を横取りするタイプとあっては、嫌われても仕方のないもの。結果、その先輩女性には誰も近寄づかなくなり、それが寂しいのか教え魔に拍車がかかっているのだそう。
 

「最近じゃ、先輩はすでにボケてるんじゃないか?なんて話も出ていますが……あの教え癖と横取り癖を、どうにかしてほしいですね」
 

ボディタッチがくどい! 町内会テニスの苦悩

中学・高校時代はテニス部に所属していたという埼玉県在住の紗季さん(仮名・34歳)は、今から5年ほど前、近所の誰でも参加できるテニス会があると聞き入会しました。メンバーは50~60代が中心。地域の中学校のテニスコートを借り、月に2回程度そのコートで打ち合いをしたり簡単な試合を行ったりする比較的ゆるめの会で、兼業主婦をしている紗季さんにとって「ちょうどいいストレス解消の場」だったといいます。
 

しかし居心地が良かったのは2年間ほど。後から入ってきた高齢男性が異様なほど熱心で、会の雰囲気はガラリと変わってしまいました。
 

「練習がすごいスパルタになったんです。その男性は私立高校の教師をしていたらしく、そこでテニス部を指導していたんですって。やれ、サーブトスの時のボールの握り方が悪い、やれレシーブ時の手首のひねりがおかしい……って、わざわざボディタッチしながら教えてくるんですよ」
 

その男性のアドバイス通りにフォームを改善すると、確かにテニスは上達しました。でも、しょせんは町内会のお遊びクラブ。ちょっと体を動かせればいいという感覚で来ていた人が多く、そのうちに誰も、彼の話を聞かなくなってしまいました。
 

「すると、その男性の矛先が全て私に向いたんです。一歩踏み出すだけでもダメだしされ、テニスラケットもこんな安物じゃダメだ、俺が知ってる都内の専門店に一緒に行こう、俺が選んでやるから心配するな!なんて言い出して。私もその男性から離れようと努力しているんですが、若いメンバーが私しかいないためか、何をするにもベッタリくっついてきて離れないんですよ!」
 

テニスは楽しいし、お金をかけずに体を動かせて良かったけれど、脱会しようか……そう思っていた矢先にコロナ禍に。今はそれを理由に練習は月1程度の参加に抑えているといいます。また「こんな情勢なんで、一定の距離を保ってください。コロナが怖いので買い物も無理です」と強気に出られるので、以前よりは平和な日常を送っているという紗季さん。
 

それでも男性はしつこく「いつ店に行きますか? テニスラケットは●●社の〇〇〇が良いと思いますよ」といった誘いのLINEを送ってくるといいます。
 

「誰かに教えることで自分の居場所を確保しようと必死なのはわかります。でも、社会人の趣味の場は息抜きの場でもあるので、そこで教え魔になるのは無粋なこと。何事もほどほどを保ってほしいと思うのですが……」
 

なるほど「教え魔」の最大の欠点は、他人との距離感を失ってしまうことにあるのでしょう。
 

親切心から派生した行動だとしても、相手が嫌悪感を抱えているならば、それはただの「迷惑」です。もしもあなたが会社や趣味の場で、周囲から距離を置かれているかも?と感じているなら――ひょっとして、知らないうちに「教え魔」になっているのかもしれませんよ。

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