厚労省が書類送検された「ブラック企業」334件を公表…

厚生労働省は10日、労働関係法令に違反した疑いで、この半年の間に書類送検された企業334社をホームページで公表した。社会全体で過労死等ゼロを目指す取り組み強化の一環。違反事案を少なくするために、2017年に公表されたガイドラインを確認しておきたい。

長時間労働や賃金不払いなど…労基関連法違反

厚生労働省は10日、労働関係法令に違反した疑いで、この半年の間に書類送検された企業334件をホームページで公表した
 

公表された企業の主な違反内容は、違法な長時間労働や労災事故につながる事案、賃金不払いなど。各労働局が発表した内容を58ページに及ぶ一覧表にまとめ、一括して掲載しており、おおむね1年掲載されるという(参照:『労働基準関係法令違反に係る公表事案のホームページ掲載について』)。今後も同様に企業名が公表されていくという。
 

掲載された中には、過労自殺の問題があった電通三菱電機・情報技術総合研究所パナソニックの関連工場の名前もある。工事現場などで安全対策をしていなかったといった労働安全衛生法違反の事案が多く、これによって死傷事故が発生している企業もあった。また、最低賃金を満たしていないという企業もみられた。
 

自社、勤め先は大丈夫?ガイドラインの確認を

今回の公表は、長時間労働削減推進本部などによる社会全体で過労死等ゼロを目指す取り組み強化の一環という。一方、このニュースに関し、SNSなどで「勤め先の名前がない」といったコメントも見当たる。状況改善にどれだけ影響があるか、今後の動きについても見守る必要があるかもしれない。
 

とはいえ、違反事案を少なくするために各社が取り組みを強化していかなければいけない。これに関連し、今年1月、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」が公表されている。長時間労働対策として、経営者、企業の人事総務担当者にとってきわめて重要なものであり、きちんと把握しておく必要がある。
 

また、労働者としても自分の身を守るために確認しておくことも大切だ。ガイドラインの内容ついては人事労務コンサルタントの小岩和男氏がAll Aboutの『ご存じですか?労働時間把握のガイドライン』で解説しているのでこちらを確認しておきたい。

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