提出の再々延期を回避するための判断…

東芝
東芝株は一体どうなるのだろうか(写真:Natsuki Sakai/アフロ)

経営再建中の東芝は11日、2度延期した2016年4~12月期決算を発表した。

東芝の決算の提出予定日は2月中旬だったが2度延期し、今日11日が提出期限だった。監査法人から「適正」との意見が得られず、監査意見を表明しない「不表明」での提出となった。提出の再々延期を回避するための判断だったとみられている。東芝では、米ウエスチングハウス(WH)の決算処理について問題視されていた。
 

監査意見を表明しない「不表明」での決算提出や、提出期限の再延期などは上場廃止の判断にどのような影響を与えるのだろうか。これに関してマネーコンサルタントの頼藤太希氏がAll Aboutのの『「上場廃止」とは何なのか?』で解説をしている。
 

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そもそも、上場廃止とは

上場廃止とは、取引所が「不特定多数の投資家が売買する銘柄として不適切である」と判断し、当該銘柄の取引を終了すること。この不適切かどうかの判断は、投資家保護を目的に、各取引所が制定している上場廃止基準に基づくと頼藤氏は説明する。
 

取引所が上場廃止を決定した場合、その旨を投資家など関係者に周知するために「整理銘柄」として指定し、上場廃止日までの一定期間(原則1か月)売買が認められた後、上場廃止になる。
 

上場廃止基準は大きく3つに分類できる

頼藤氏によると、上場廃止基準は下記の3つに分類できるという。

  1. 株式の流動性に関わる基準
    例:株主数が400人未満、流通株式数が2000単位未満、流通株式時価総額が5億円未満に該当すると上場廃止の対象
  2. 企業の存続、継続性に関わる基準
    例:債務超過が解消されない場合、銀行取引の停止、破産・再生手続・更生手続、事業活動の停止等の場合も上場廃止の対象
  3. 上場企業としての規律に関わる基準
    例:有価証券報告書等を提出期限の経過後1か月以内に提出しない場合、有価証券報告書等に虚偽記載を行った場合は上場廃止の対象。また、「特設注意市場銘柄」に指定されている間に、内部管理体制等について改善の見込みがなくなったと当取引所が認める場合や、上場契約違反も上場廃止の対象。

東芝は今回、3にある「有価証券報告書等の提出遅延」の抵触を回避するための判断だったとみられるが、監査法人による報告書やレビューに「意見の表明をしない」という記載も基準に関わってくるという。

「有価証券報告書等に虚偽記載を行った場合や、監査報告書又は四半期レビュー報告書に、『不適正意見』『意見の表明をしない』等が記載された場合に上場廃止の対象となります。『不適正意見』『意見の表明をしない』は簡単に言えば、不適切な会計処理であると指摘しているということです」(頼藤氏) 
 

『不適正意見』『意見の表明をしない』等が記載されると、取引所は「上場を廃止しなければ市場の秩序を維持することが困難であることが明らかかどうか」を審査し、明らかであると認めれると上場廃止が決まる。
 

東芝が指定されていた「監理銘柄」「特設注意市場銘柄」とは

なお、東芝は2015年9月に、「特設注意市場銘柄」に指定されている。

この「特設注意市場銘柄」は、有価証券報告書等に虚偽の記載した場合、監査報告書で不適切な会計処理との指摘を受けた場合に、取引所により銘柄指定されると頼藤氏は説明する。
 

指定を受けた企業は、1年を経過するごとに「内部管理体制確認書」を取引所に提出し、着実な改善が認められると、「特設注意市場銘柄」の指定が解除され、通常の取引銘柄に戻るという。
 

また、3月14日には東証が東芝株を「特設注意市場銘柄」指定を解除しないまま、「監理銘柄」とした。
 

取引所は、上場廃止基準に抵触する恐れが出てきた企業を一定期間「監理銘柄」に指定する。その後、上場廃止基準に該当しないとの結論が出れば指定が解除され、通常の取引銘柄に戻るが、上場廃止に該当すると判断されれば上場廃止となるという。
 

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